2010年9月29日水曜日

10月3日、湯島「道」トークショー、ゲスト決定 口ロロ三浦康嗣さん!


先週お知らせしたとおり、今週日曜日(10月3日)、湯島のミュージック・バー「道」で開催するトークショー。いっしょにお話ししてくれるゲストが決まりました。お洒落ポップ・ユニットとして名高い口ロロ(クチロロ)の三浦康嗣さんです。

「地方のワルガキたちのヒップホップ」という泥くさいテーマで、どう話がかみ合うのか想像もつきませんが! 刺激的なトークになるよう、気合い入れて望みたいと思ってます。お時間あれば、ぜひどうぞ。といってもクチロロは人気絶頂ユニットなので、急いで席の予約お願いします。

日時 10月3日(日)
18時30分オープン、19時スタート
料金 ¥2,000 (1ドリンクつき)

場所 MUSIC BAR 道
東京都文京区湯島3-35-6 3F
http://www.miti4.com/
miti4.exblog.jp

東京右半分:下町を歌うヒップホップ・ジェネレーション

2010年8月11日、1枚のCDがリリースされた。『錦』というタイトルの、そのCDはイントロを含め19のラッパー/ヒップホップ・アーティストによる、19のトラックが収録されたコンピレーションである。F.I.V.E. RECORDSという、これが最初のCDだという新しいインディース・レーベルからのリリース。そして19人のだれも、テレビやFM放送でヘヴィ・ローテーションされるような有名アーティストではないこと。『錦』の存在をまだ知らないひとも少なくないだろう。


『錦』をプロデュースしたのは2ヶ月ほど前、この連載で紹介した上野アメ横のCDショップ<キャッスルレコード>の店長として毎日店に立ちつつ、「G.O」の名でヒップホップ・アーティストとして長く活動してきた岩崎剛さん。ジャパニーズ・ヒップホップの中心地である渋谷を拠点とする「ICE DYNASTY」のクルーとしてパフォーマンスを続けながら、みずからの出身である東京下町を強く意識した曲作り、イベント開催などを重ねてきた。若い音楽好きにとってレコード/CD真空地帯だった上野でのショップ・オープンを、東京下町ミュージック・シーンをブーストするための第1段階だとすれば、『錦』から始まるCDリリースは、その第2段階といえる。

東京右半分の新しいスポットや人物を取り上げてきたこの連載で、1枚のCDをこうして紹介するのは異例かもしれない。『錦』をみなさんに知ってもらいたかったのは、このCDに収められた19人がすべて下町=東京右半分で活動しているアーティストであり、19のトラックがすべて自分たちが住み暮らす下町をテーマに歌っているから。言い換えればこれは19人のラッパーたちによる、ヒップホップという形式を取った19の物語であり、東京下町短編集なのだ。渋谷、大阪、仙台、札幌など、さまざまな地域で活動するアーティストを集めたコンピレーションCDは珍しくないが、曲のテーマまでその地域に絞ったCDというのは、いままで見たことがない。もしかしたら日本のヒップホップ史上、初めてのプロジェクトではないだろうか。

たとえば元プロボクサーという異色の経歴を持つ「はなび」というラッパーがいる。2004年から活動を続けている彼が、70年代の世界的ヒット曲『ベイビー・カム・バック』(Player)をサンプリングしたバックトラックに乗せてラップする『花火』は、こんなリリックだ——

いつかの少年 地元では噂の狂犬
ALL DAY アルコールでブチあがっては
暴言吐いて 公然ワイセツ
当然 痛い目にあったって余裕で
「OK、もっと楽しい遊びしようぜ。」
正面しか見てない両目、あのままなら向かってたアブネー方向へ
高校をやめ追っかけたちっぽけな可能性、今思うとホントバカな挑戦
ボンクラからボクサー、路上からリング上へ
当たる照明、ただただ呆然
頭の中真っ白だった緊張で一生忘れねーヤツラの応援
意識が戻って、突き上げた両手
余裕で行ける気がしてた頂上へ!
そばに居る仲間信じ 前だけ見てガムシャラに突っ走ってく
先なんてわかんねー人生
はなびのようにパッと咲いて散ってく
ココに居る仲間信じ、酒飲んで
笑って生きて死んでく
先なんてわかんねー人生
はなびのようにパッと咲いて散ってく
いつかの少年 1RKOですっかり有頂天、毎晩飲んで
すぐ逃げた減量であの時は
もう過去の栄光へ
何もないドン底で
聞えたのはやっぱり仲間の声
立ち上がりまた新たな挑戦
ハンパ者がマイク持ちステージ上へ
そこには信じられない様な光景
せまい世界抜け出したらNo name
とにかく遠吠えするだけのショーケース
学歴なんてムダだって証明
「発言に注意」ってムリ これが本音
やっと見つけた自分なりの表現
胸には、つねにある感謝と尊敬
やめる訳には行かねんだ、ココで
また当たる照明、もう迷う事ねー
いつかの少年も今では地元に貢献
ムダじゃなかったあの日の公園
キョウダイや後輩、アニキとの競演
本気で聞いてくれるオーディエンスとの共鳴
もう、色んなモン卒業して、とことん
一緒に飲もうぜ、それぞれのホームで
そのまま大勢巻き込んで
くつがえしてく根底
自分で決めたゴールへ

自分が生きる街のことを、自分の言葉で、HIPHOP、YO! みたいな英語は極力使わないで表現してくれ、と岩崎さんはそれぞれのアーティストに要請したという。はなびにかぎらず、だから『錦』に集められたラップは、どれも生まれ育った下町への愛情と、仲間へのリスペクトと、好きな音楽で生きていくことのタフネスとが歌い込まれ、切実にリアルだ。

http://www.chikumashobo.co.jp/blog/new_chikuma_tuzuki/

オレサマ商店建築:新宿・ヘアサロン・アスカ

惜しまれつつ閉館が決まってしまった東京厚生年金会館。その裏手にあたる新宿6丁目界隈は、ちょっと先にある2丁目、ゴールデン街、歌舞伎町と同じ新宿とはとても思えない、静かな住宅街である。

一戸建ての住宅が並ぶなかに店を構える<ヘアサロン・アスカ>は、一見まったくふつうの床屋さん。しかし一歩店内に足を踏み入れてみれば、そこはむしろCDショップ。それも、ものすごくマニアックな店の様相を呈している。フロアに一脚だけ置かれた理髪椅子がなければ、とうていここが床屋だとは理解できないだろう。


店内に飾られているCDはすべてR&Bとヒップホップ。それもほとんどはギャングスタ・ラップと呼ばれる、マチズモ全開で「女とカネと暴力」を歌い上げる、ヒップホップのうちでもハードコアなジャンルの音楽だ。

「もともとはふつうの床屋だったんですよねー」と苦笑するのは、店主の小杉とおるさん(表記要確認!)。別の床屋さんで修行を積んだあと、30年前にアスカを開業。「もともとここは床屋だったのを借りたんだよね、だから名前も、外の看板テントもそのままなの」という、おおらかなスタートだった。それが、いつのまにかこんなふうにマニアックな店に変貌してしまったのは、アスカのすぐ裏手にスタジオを構える湯村輝彦=テリー・ジョンスンさんの、多大なる影響のおかげだった。


「はじめてテリーさんが来たのは25年ぐらい前かな、長髪だったのを、うちで短髪にしたんだよね」と当時を振り返る小杉さんに、湯村さんは同類の匂いを嗅ぎとったらしい。それから散髪のたびに持ってくるレコードやCDを聴かされ、スタジオに遊びに行って作品を見せてもらううちに、すっかり「キング・テリー・ワールド」に小杉さんは魅せられてしまったのだった。

spectra、見てきました!


先週末、2晩だけ名古屋城を舞台に行われた池田亮司さんのインスタレーション・アート「spectra」。先週のブログにも書きましたが、どうしても見てみたくて、日帰りで名古屋まで行ってきました。滞在時間2時間ほどしか取れなかったのですが・・・予想を超えて素晴らしかったです。

名古屋城二の丸広場に据えつけられた64台のサーチライトから放射された光の束は、一説によると京都からでも観測できたとか! そしてライト・ユニットを歩きながら浸る純粋音の波は、なんだか『未知との遭遇』のテーマに聞こえてきそうで・・・。



でも、なにより素晴らしかったのは、これが「あいちトリエンナーレ」という現代美術イベントの一環でありながら、広場を埋めたお客さんたちは、「現代美術作品」としての意味なんてまるで考えずに、純粋な光と音のハーモニーをそのまま楽しんでいたこと。地下鉄駅から広場に続く、途切れることのなかった長い人の列。名古屋らしく?周囲の道路に二重駐車して、車窓から携帯電話で撮影していた人たち(クルマを降りるのがめんどくさかったのか、入場料がもったいなかったのか)。


子連れの家族から、三脚抱えたカメラ・オヤジたちまで、こんなふうに門外漢(というマジョリティ)をハッピーにさせてあげられた現代美術作品というのは、僕にとっては大竹伸朗の「アイラブ湯」以来の体験でした。「すごかったねー!」とワイワイ言いながら、地下鉄の駅に向かう人たちの笑顔が、どんな有名評論家の難解な賛辞より、池田さんにとっては最高のプレゼントだったはずです。



2010年9月22日水曜日

あいちトリエンナーレ:池田亮司の「spectra」を体験せよ!

ただいま開催中、しかし瀬戸内国際芸術祭にくらべ、いまひとつ話題が盛り上がってない「あいちトリエンナーレ」。しかしこの週末(金、土)に行われる池田亮司のインスタレーションは、万難を排して見に行くべし。僕も日帰りで行ってきます(涙)。


成層圏まで到達する64 台のサーチライトによる強烈な白色光と、10 台のスピーカーから出力される音の波とを組み合わせたインスタレーション。都会の中心に突如出現するこの巨大な光のタワーは、雲の動きや雨によって常に変化し続け、その姿を街のどこからでも見ることができます。
この「spectra」シリーズは、2008 年にアムステルダムとパリで、今年6 月にスペインのバルセロナで行われ、好評を博しました。日本では、あいちトリエンナーレ2010 で初公開します。

名古屋城二の丸広場に64台の強力なサーチライトを据えつけ、天に向かって光の束を放射する、しかも観賞者は広場にセットされたスピーカーから流れる正弦派の純粋音に浸りつつ、光源のあいだを歩き回るという、夢のようにクレイジーなアートワーク。あまりに強力な光量のため、名古屋市内各地で見られるそう。名古屋城で、そして遠く離れた場所から、一夜のイリュージョンに酔いたいものです。

≪spectra [nagoya]≫
■開催時間
9月24日、25日とも17:30-23:30(23:30に閉場しますので、余裕をもった時間にご来場ください)
※作品の点灯は翌朝6:00までオールナイトで行います。
あいちトリエンナーレ公式サイト http://aichitriennale.jp/en/

2008年、パリの「ニュイ・ブランシュ」(夏の夜の芸術祭)での記録

roadside spirits :湯島のミュージック・バー「道」でトーク・シリーズ開催!

東京をわかってる遊び人のあいだで、いまもっとも注目されているミュージック・バーが湯島の「道」。つい先週の「東京右半分」でも紹介したばかりですが(http://www.chikumashobo.co.jp/blog/new_chikuma_tuzuki/entry/495/)、その「道」で10月から不定期にトークをやらせてもらうことになりました。


「roadside spirits」と題したシリーズ、第1回目は10月3日の日曜夜に開催です。

「ロードサイドのHIPHOPを聴く」+more

上野アメ横の3階にはいまやヒップホップテイストあふれる店がいくつもあります。
興味をひかれた都築さんは「webちくま」の連載、『東京右半分』でこのスポットを取り上げましたが、現在全国にはヒップホップグループが群雄割拠しています。楽器をマスターしてバンドを始めるより手軽なせいか、地方都市でも多くのグループが生まれ、独自の光を放っています。
中央集権指向ではなく、地方ならではのパワーを持ち得ているのはなぜか?
彼らの武器であるリリックにはどんな特徴があるのか?
それを都築さん流の視点で紹介していきます。

というわけで「田舎のラッパーたち」について、曲をかけつつ話させてもらいますが、当日は意外な有名ミュージシャンが、お話相手として登場してくれる予定! 20人ほどしか入れない空間なので、早めにご予約ください。

日時 10月3日(日)
18時30分オープン、19時スタート

料金 ¥2,000 (1ドリンクつき)

場所 MUSIC BAR 道
東京都文京区湯島3-35-6 3F
http://www.miti4.com/
miti4.exblog.jp

今夜も来夢来人で:最終回! 北海道厚賀

いままで2年半、全31回続いたアサヒカメラの異色連載「今夜も来夢来人で」、ついに最終回です。で、選んだ場所が北海道日高の厚賀という町。最終回を飾るにふさわしい、まっすぐ正統派のカラオケスナックでした。


新千歳空港から南下、苫小牧を経て海辺の国道を走ること約1時間半、厚賀という小さな町に着く。宿泊施設は駅前に商人宿のような旅館が1軒あるだけ。人口わずか1400人足らず、町なかにはコンビニもないこの町に、スナックは5軒もある。コンビニのない町はあっても、スナックのない町は日本にないのかもしれない・・などと感傷に浸りつつ町をクルマで流してみると、真っ青な外観がすぐ目につくのが<スナック来夢来人>だった。


生まれも育ちも厚賀という新田徑子(みちこ)ママの来夢来人は、今年で31年目の老舗。昔は牧場で働くひとや漁師さんが多かったそうだが、いまはお客さんのほとんどが「カラオケ仲間」。順番にマイクを回しながら、いずれ劣らぬ歌自慢たちが夜ごとにノドを競っている。

「こんな田舎だけど、みんな親切だしねえ」と言う徑子ママ。それに、目の前の海で獲れる海産物のおいしさだって、どこにも負けない。「うちはお通し、ちゃんと作るんです。お年寄りには噛みやすいように柔らかいもの、とか考えてね」と言いながら、出してくれたひと皿は「今朝あがったばかり」というカレイのお刺身。もう少し涼しくなったら、今度はシシャモがおいしいそうだ。

コンビニなんかなくたって、商店街がシャッター通りだって、おいしい魚と酒とカラオケがあったら、ほかに人生に必要なものってあるんでしょうか。


東京右半分:欲望の街のミュージック・シェルター 2

風俗と居酒屋とスナックが渾然一体となった、湯島のドンキホーテ裏の一角。<プチシャンソンパブ セ・ラ・ヴィ>というその店は、名前からするとシャンソニエ、つまり生でシャンソンを聴きながら、お酒を飲める空間である。


もともと銀座でナンバー・ワンを張っていたという、シャンソン歌手のマダム順子が、この店のオーナー。もう30年ほど前に開店した当初は、マダムと外語大の学生たちがアルバイトで入ってシャンソンを聴かせていたが、いつのころからか、湯島にほど近い上野・東京芸大の音校生(音楽部の学生)たちが働くようになった。


ピアノ、バイオリン、声楽……日本最高の音楽大学で学ぶ彼らは、いずれもプロを目指す本気のアーティストたち。そんな芸大生が代々、店のスタッフを引き継ぐようになって、様子は一変した。いまでもマダムはシャンソンを歌うのだが、学生たちが演奏するのはもちろんクラシックがメイン。10人近いラインナップが、2人か3人ずつ日替わりで入っていて、夜7時半から11時半という短い営業時間に、3回もショータイムを設定している。


CDやテレビでいつも見聴ききしている一流演奏家とはちがうけれど、彼らはいずれもプロの卵。技術はたしかだし、なによりこれほどの至近距離で音楽に浸れるという体験は、なにものにもかえがたい。

ふだんなら逢うどころか、すれちがうチャンスすらない、良家の子女ぞろいの演奏家の卵たちにお世話されて、額がくっつきそうな距離で杯を交わしながら、とびきりの室内楽に酔ってみたり、お色気映像付きのカラオケでキャーキャー言い合ってみたり。いままでいろんな店に行ってきたけれど、こういう場所は、まずないです。

http://www.chikumashobo.co.jp/blog/new_chikuma_tuzuki/

紀伊國屋書店SCRIPTA 書評連載:2冊のトラック野郎本


昭和50(1975)年の夏、東映の首脳陣は焦っていた。9月に上映する予定の作品が、都合で流れてしまい、急遽新しい映画を作らねばならなくなったのだ。そこで脚本執筆期間2週間、撮影日数20日という、あまりに慌ただしいスケジュールで撮られたのが『トラック野郎 御意見無用』だった。

穴埋め企画として公開された『御意見無用』は予想外の大ヒットとなって、以来5年間にわたって計10本の『トラック野郎』シリーズが生まれることになる。年に2本ずつ、お盆と正月の時期に公開された『トラック野郎』は、松竹の『男はつらいよ』に対抗する、東映のドル箱シリーズとして、日本全国の映画館を満員の観客で賑わせたのだった。

1980年に最終作の『故郷特急便』が上映されてから、今年で30年。これまで『男はつらいよ』のほうは、いまだにテレビでも放映されるし、飛行機の機内でも観られたり、資料も豊富に揃っているが、『トラック野郎』はといえば、いままでかろうじてビデオやDVDがリリースされた程度。いくら本数がちがい、知名度がちがい、そして万人向けとオトナ向けというちがいがあるとはいえ(『トラック野郎』にはトルコ風呂でのハダカ宴会シーンやウンコネタなど、下ネタが随所に散りばめられていた)、あまりに無視されすぎでは・・・と憤っていた筋金入りのファンも多いはず。僕も含めて、そんな日陰モノ扱いを堪え忍んできた『トラック野郎』ファンにとって、最近立て続けに2冊の書籍が発売されたのは、うれしい驚きだった。

5月に刊行された『トラック野郎風雲録』(国書刊行会)、7月に出たばかりの『別冊映画秘宝 映画『トラック野郎』大全集』(洋泉社)。どちらも『トラック野郎』に寄せる愛情がぎっしり詰まった、ファンにとってはもちろん、昭和末期の大衆文化を見直す上でも欠かせない2冊である。






ロマゾフィー協会、サイトも動画も狂ってます!

弟子の女性に暴行を加えたとして、今月19日に自称霊能師の教祖・平岩浩二と妻・司が逮捕された事件、異常でしたねえ。

平岩教祖が主宰していた「ロマゾフィー協会」、公式ウェブサイトはただいまアクセスできなくなっていますが、キャッシュをたどっていくと、まだ見られるようです。


そして! そのサイトから飛べるようになっているのが、あまりにビザールな動画の数々。いろんな方がすでにブログなどで報告してくれているので、ゆっくりネット・サーフィンしてみていただきたいですが、この4月末に、よりによってプロレス興行で知られる新宿FACE(元のリキッドルーム・・涙)を貸し切って開催された「夢まつり2010」の映像とか、教祖をはじめ幹部総出演(たぶん)のあまりといえばあまりな動画が、ユーチューブにもニコニコにもたっぷり眠ってます! 


いつ削除されちゃうかわからないので(特にユーチューブは)、気になるひとはダウンロードしておくべし。本気なのか、やらせなのか・・・見ているうちにバッドトリップしてしまいそうになる、アシッドな映像集です!

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夢まつり2010 予告映像

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夢まつり2010 日光ルーサ(司容疑者の別名らしい)のダンス・パフォーマンス

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戦闘ヒロインレジェンド1 ルーサ第1章『勇者の誓い』DVD予告編(ほしい!)



2010年9月15日水曜日

コラアゲンはいごうまん凱旋ライブ!

僕がいまいちばんおもしろいと思っているお笑い芸人、コラアゲンはいごうまんのライブが4日間だけ、日暮里で開催中です(木曜まで!)。

ご存じの方もいると思いますが、コラアゲンはワハハ本舗所属の「体験型ドキュメンタリー芸人」。本舗主宰の喰始さんから「新興宗教の本部に潜り込んでこい」とか「SM女王様の奴隷入試を受けてこい」とか「武闘派ヤクザの事務所に1ヶ月間体験入所してこい」とか、メチャクチャな課題をもらって、それをそのまま実行。そこで得た体験を語り尽くすという、まさにカラダを張った芸です。

体験の中味が濃いために、1本のネタが30分〜2時間! そのためテレビには出演不可能(涙)。ライブでしか味わえないタイプの貴重な芸風だけに、とうぜん高額ギャラとは無縁。いまだに高円寺の四畳半アパートに住み、昼間はバイトしながらがんばりつづける、1969年生まれ41歳のピン芸人。30秒で笑いを取らなければならないテレビの世界に背を向け、たったひとりで地方の居酒屋(それも営業中!)や美容院、個人宅までを舞台に、ときには数人の観客のために、汗みどろで語りつづける。こういう「語り部」が、こんなふうにいまの時代を生きていることが、僕には奇跡としか思えません。

コラアゲンはいままで5回にわたって、丸一年かけて全国を一周しながら、現地で探したネタを現地で披露し、それで次の目的地までの旅費を稼ぐという荒行を続けてきました。現地に入り、ネタになりそうな話を聞き回り、それを自分で検証に行き、その夜に披露するという、たった一日ごとの真剣勝負です。


そうやって集めた全国のネタが50本! 今月初めに広島で打ち上げた第5回全国ツアー無事終了を記念して、いま開催されているのが日暮里のワンマンライブ。内容は、以下のとおりです:

WAHAHA本舗presents
コアラアゲンはいごうまんの全国ツアー5周目「僕の細道〜汗かき ベソかき珍道中」
大出血サービスのコラアゲン祭
〜丸一年かけて全国を回ってきました・東京凱旋4本締め公演〜


内容
2009年10月2日の焼津から始まった全国ツアーは、およそ丸一年をかけた2010年9月7日広島で終了します。
全国ツアーで行った87公演=地方取材70本の作品お披露目会です。
4日間全部違う内容でお送りします。
前回の凱旋公演に続き、今回も大出血サービスの無料公演!
前回があまりにも大好評・満員だったため、今回は「料金設定しますか?」という問いに、本人は「多くの人に見てもらいたい!ので、自腹をきってでもいいので無料でお願いします。」とのこと。なみなみならぬ覚悟で、東京凱旋公演をお届けします!
コラアゲンファンはもちろん、まだ見たことのない方、容姿で敬遠してきた方、何らかの理由でコラアゲンと会いたくなかった方々、ぜひ、この機会に足を運んでくださいね! お待ちしております!


会場
日暮里・プロモボックス!
東京都荒川区西日暮里2-25-1 ステーションガーデン3F(エスカレーター前)
TEL:03-6906-9209
日程
2010年9月13日(月)〜16日(木)
時間
9/13(月)〜9/16(木) 開場18:30/開演19:00
料金
無料(※投げ銭は用意してね!)
※開演の2時間前に入場整理券を配ります
※1ドリンク代別途必要です
※50名限定です


あと、もう一日しかないのですが、絶対おもしろいので、騙されたと思って行ってみてください! あんまり楽しくて、ちょっと前に僕は自分でも場所を借りて、コラアゲンの独演会を開かせてもらったぐらいですから。会場は50名で満席なので、早めに行かれることをおすすめします!

コラアゲンはいごうまんの苦闘の日々をつづったブログも、読み応えあり:http://blog.livedoor.jp/bokuhoso/

東京右半分:欲望の街のミュージック・シェルター

昼間はアメ横から流れてきた観光客がパラパラいるだけの、しかし陽が落ちるといきなり居酒屋や飲み屋のライトがきらめき、風俗店の客引きがあらわれ、「マサージいかがですか〜」とすりよる小姐がすり寄って、歌舞伎町顔負けの欲望全開タウンに様変わりする湯島界隈。いまのところ、東京でいちばん元気のいいナイト・タウンかもしれない。

たいして広くもない飲み屋街に、いったい何軒ぐらいの水商売店がしのぎを削っているのか見当もつかないが、それだけあるなかで不思議となかったのがロック・バー。地下鉄湯島駅を出てすぐのビル3階にある<MUSIC BAR 道>は、湯島のカオスも好きだけど、渋い音楽を聴きながらじっくり飲む酒も好き、というワガママなオトナにとって、貴重な一軒だ。


去年の4月にオープンしたばかりの店を仕切るのはライター、放送作家として知られる押切伸一さん。すごい売れっ子なのに、バーのマスターとして毎晩カウンターに立っているのだから、たいしたものだ。きょうは押切マスターと、共同経営者であるデザイナーの大久保裕文さんにお話をうかがった。



伊丹市美術館で公開対談:堀内花子さんと

9月11日から伊丹市美術館で開催中の『堀内誠一 旅と絵本とデザインと』展。堀内誠一さんはアンアン、ポパイ、ブルータスなど、たくさんの雑誌のデザインや、絵本などで知られる、日本デザイン界の巨匠(という言葉の響きは似合いませんが)でした。

雑誌「平凡パンチ」や「アンアン」「ブルータス」などの革新的なアート・ディレクターとして、また『くろうまブランキー』『ぐるんぱのようちえん』『たろうのばけつ』ほか、多くの傑作を生みだした絵本作家として、多彩な創作活動を繰り広げた堀内誠一(1932-87年)。そして彼は世界各地を旅して、多くのイラストや絵手紙を残した「旅行家」でもありました。


本展では、さまざまなジャンルを軽快に行き来した堀内誠一の軌跡を、約400点の作品・資料により、「デザイン」「絵本」「旅」の三つの側面からご紹介し、その全貌に迫ります。(公式サイトより)

僕にとっても、編集者になるうえでもっとも影響を受け、いろいろなことを教わった師匠です。その堀内さんの仕事をさまざまな角度から見せる今回の展覧会。ぜひたくさんの方に見ていただきたいですが、9月23日(木祝)には長女である堀内花子さんと、公開対談を行います。関西方面にいらっしゃる方は、ぜひご参加ください!


日時|9月23日(木祝)14:00〜   
会場|美術館1階講座室
定員|150名(聴講無料・要観覧券/先着順 *ただし定員になり次第締切)

http://www.artmuseum-itami.jp/

田上允克展

中央画壇とはまったく没交渉のまま、業界のトレンドとも無関係のまま、地方でひっそり、自分だけの絵を描き続ける画家が、この国にはたくさんいます。美術雑誌やインターネットではなくて、地方をめぐる旅行のおりに出会うことがほとんどなのですが、そうした孤独なアーティストたちを訪ね歩き、いつか一冊の本にまとめたいと願いつつ、怠惰なせいで実現できずにいます。

山口県の小野田という小さな町に、田上允克(たがみ・まさかつ)さんという画家がいます。農家のような古びた一軒家に、かわいらしい奥さんとふたりで住み、畑で野菜を育てながら、驚異的な量の作品を作りつづける毎日。できあがった作品は納屋に無造作に積まれ、ほこりをかぶってぐちゃぐちゃになっていますが、片づける時間があったら、そのぶん制作をしていたい、と本人はあまり気に留めていません。

田上さんを僕に紹介してくれた、新宿御苑脇にラミュゼという素晴らしいギャラリーを持つ潮田敦子さんによれば、田上さんとはこんな人物です:

(田上さんは)山口の大学で哲学を学んだ後、30歳まで自分は何にも興味がなく、映画を観ても意見というものが一切ない人間だった、と振り返ります。業をにやした父親に追い出されるように東京に出てきて新聞配達をしていたある日、近所のアトリエ「鷹美」をのぞきます。田上さんはそこで、「これだ」と打ち震えます。すぐに父親に電話をして、やりたいことがやっとみつかったが、どうやらお金にならないので、一生、生活の面倒をみてくださいと頼みます。いぶかる父親が「俺が死んだら?」と聞くと、「自分も死ぬ」と田上さんは答えます。父親は、ただならぬものを感じたらしく承諾してくれたそうです。

その日から30年間、睡眠時間4時間で1日平均3枚から7枚の絵を描いてきました。エゴとの葛藤やスランプとも無縁で、ひたすら「時間が惜しい」と描き続けます。まるで目から魂、魂から手へと、一気に電流が流れているようです。しかも30年間停電することなく。スタイルは一つに固執せず、1日の中でも、抽象だったり漫画風だったりと1枚ごとに変わります。

田上さんは描くのに忙しいため、展覧会を開いても会場に赴くことがありません。作品はほとんど売ったことがないので、小野田の実家の納屋にはアリババの洞窟のように3万点にのぼる膨大な作品が積み上げられています。


そんな田上さんの作品にふれあえる貴重な機会が、9月21日から30日まで日本橋本町のギャラリー砂翁で開かれます。たった10日間の東京展。現代美術の閉塞感にうんざりしているかたは、ぜひ足を運んでみてください!

ギャラリー公式サイト http://www.jpin.co.jp/saoh/

アゲハの小悪魔デザイン!

いまエディトリアル・デザインでは最前線、というか極北を突っ走ってると思われる小悪魔ageha。今月号でまたもやってくれました! ブックインブックというか、センターに挟み込まれている小特集の「あのコのアイメイク 360度立体解剖図!」。


「なめまわすように見つめてください!」「人間界初!」というキャッチもすさまじいですが、中味はといえば・・・これ、ほとんど仏像ですよねー。


「この目尻の描き方、横からも見えたらいいのに・・・という要望にお応えし、あのコの目の作り方をいろんな方向からお見せします。実物を見るよりわかりやすくしました!」とイントロにあるとおり、「目を作る」タイプの女の子にはたしかに大助かりの特集でしょう。しかしすごい。このままいったらこの雑誌、いったいどうなっちゃうんでしょう。ドキドキします。デザイン学校の教科書にしてほしいです。ま、先生方はご存じないでしょうけど。


秋祭りの演歌歌手

前にブログでちょろりと書きましたが、いまインディーズでがんばる演歌歌手たちを追いかけています。来年春までには単行本になりそうですが、先週は横浜のはずれの大六天神社という、小さな神社の秋祭りに行ってきました。


以前、平凡社のウェブマガジンで連載していた『演歌よ今夜も有難う』のなかで取材させてもらった若き男性演歌歌手・千葉山貴公(ちばやま・たかひろ)さんが、当夜のゲスト歌手。小さな神社の境内の、ゴザを敷いた上にお客さんがパラパラ。地元の歌自慢たちのカラオケ大会が延々続き、それから日本舞踊とかがあって、最後に登場した千葉山さんは、夜が更けて帰り支度をしはじめているお客さんたちに向かって、あくまでも明るく健気に、全力で歌い、語りかけていた。ステージが終わったら、舞台脇のテーブルに並べたCDとカセットを売りながら、サインと握手。こういうふうに音楽業界を下支えするひとたちに、僕も寄り添いながら記録していきたい。

これから日本は秋祭りの季節。地元のお祭りに歌謡ショーの看板を見つけたら、名前を聞いたことのない歌手だからといって、素通りするのはもったいない。無名の歌手だからこそ、こころに迫ってくるなにかが、きっとあるはずですから。



千葉山さんのインタビュー http://webheibon.jp/enka/2009/06/post-2.html

公式ブログ http://www.geocities.jp/hamanasuaika/

2010年9月8日水曜日

東京右半分:ラジカセよ永遠なれ 後編

足立区竹ノ塚の古びた団地からきょうも送り出される、美しきオールド・ラジカセ。救世主であり、マスター・テクニシャン、そしてなにより不屈のコレクターである松崎順一さん。先週に続いて、「生涯一電気少年」の情熱あふれるトークをお楽しみいただきたい!


22年間勤めたインテリア・デザイン会社を辞めたのが2002年、この仕事を始めたのが2003年なので、今年で7年になりますが、辞めるときには、これからどうこうしようって、ぜんぜん決めてない状態だったんです。自分はなにが得意だって、その時点ではなかなかわからなくて。

ただ、好きなものって考えたら、家電というか、古いものを集めるのが好きでしたから。やっぱりデザインとか、いまのものより圧倒的に、古いものに惹かれるんですね。それは建物にしても、家電にしても車にしても、プロダクトすべてに対して、古いもののデザインのほうが、圧倒的にかっこいい、というのがあって。ひとつはその部分と、あとはやっぱり家電が好きなんで、家電メインに、なにか仕事にできたらということで、独立した2003年にデザインアンダーグラウンドっていうセレクトショップを開いたんです・・・





西ノ宮佳代展:「大慶ー蓬莱郷」18日(土)まで!

東京芸大博士課程で壁画の研究にいそしみつつ、モザイクという昔懐かしい技法で風変わりな立体を作っているアーティスト、西ノ宮佳代さん。六本木ギャラリー・アート・アンリミテッドでの1年ぶりの個展が、いま開催中です。



僕が彼女の作品を初めて見たのはたしか去年、東京都現代美術館で池田亮司展を観に行ったときに、同時開催されていた『トーキョーワンダーウォール公募2009入選作品展』に偶然足を踏み入れ、あまりにもどうしようもなくつまらない作品ばかりが並ぶ中で、ひとつだけすごくおもしろかったのが彼女の大きな作品だったと覚えています。

説明してどうこう、という作風ではないし、写真ではモザイク特有の物質感が伝わりにくいので、ぜひ会場に足を運んで、かわいらしくユーモラスな新作群を目で味わってください!

レッドブルBC ONE 東京で開催!

2004年にスイスで第1回が開催された、ブレイクダンスの世界最強バトル『レッドブルBC ONE』。毎年ベルリン、サンパウロ、ヨハネスブルク、パリ、ニューヨークと場所を変えて決勝大会が催されてきましたが、今年はついに東京で開催決定! 11月27日に代々木第二体育館で行われます・・・が、先週売り出されたチケットは、全席あっというまにソールドアウト! 僕はかろうじて2階のスタンド席を買えましたが、買い逃したみなさん、当日ダフ屋のおやじと交渉するとか、ヤフオクで探すとか、なんでもいいから万難を排して、観に行ってください!



16人のファイナリストが、1対1でダンスのワザを争うというスタイルからして、ニューヨークの若いギャングたちがバトルの一環として生み出したという、ブレイクダンスの起源そのもののスタイルで、観る者すべてをヒートアップさせます。そして世界各国からのファイナリストたちが見せる、ワザのすばらしさ! とりあえず公式サイト内のヒストリー・ページでその片鱗を味わっていただきたいですが、



こういうのを見てしまうと、いま身体表現の最前線はどっかのビエンナーレでも、美術館でもバレエ劇場でもなく、ましてやオリンピックの体育館やスケートリンクでもなく、世界中のストリートに、コンクリートの上にあるんだと深く納得せざるを得ません。

出張で地方にでかけ、夜のシャッター通りを歩いていると、ビルのガラス面を使ってダンスの練習に熱中しているキッズを、どこの町でも見かけます。ほんとに、すごく小さな町でも。酔っぱらいオヤジたちの冷たい視線を完璧に無視しながら。

学校の体育や音楽の授業なんてぜったいさぼってる感じの、ワルっぽい男の子や女の子たちが、真剣に振り付けを話し合ったり、ガラスを前にひとり黙々とターンを繰りかえしたりしているのを見ると、なんだかうれしくなるし、学校が教えてくれないことを、みんなちゃんとわかってるんだなと勇気づけられます。ヤンキーって、ようするに日本のヒップホップだったのかもしれないなと思わされるのも、こんなときです。

ファインアートとしての現代美術のように、ニューヨークとかロンドンとか、しょせんは世界的な大都市のエリート層が業界を作り、マーケットを作るのではなく、2メートル角ほどの地面と、CDラジカセが1台あれば、世界中のどんなど田舎からでも、世界でいちばんリスペクトされるダンサーになることができる——これがブレイクダンスの、ヒップホップ・カルチャーの偉大な特長でしょう。

動画を見てもらえばわかりますが、BC ONEのファイナリストたちはだれも、バレエ・ダンサーや体操選手のようにすばらしい体格を持っているわけでもないし、服装だってけっしてかっこよくないし、ルックスもむしろ地味な、育ちも良さそうに見えない、ようするにぱっとしない感じの子ばっかりです。そういう子供たちが、音楽とともに軽くステップを踏んでいたかと思うと、いきなり息を呑むような大技を決めてしまったりする、そういう瞬間を目撃してしまうと、美術館で難解なコンテンポラリー・ダンスとかを我慢しながら見ているのが、なんだか耐えられなくなってきます。

2010年9月1日水曜日

次回ドミューン、9月9日です! (19-21時)




東京右半分:ラジカセよ永遠なれ 前編

演歌の取材をするようになってわかったことのひとつ、それは演歌業界、カラオケ業界においては、いまだにカセットテープが重要な位置を占めているという事実だった。演歌専門のレコード店に行けば、いまでもCDと並んでカセットのミュージック・テープが売られているし、店頭には録音用の空テープが山積みされている。いまやCDすらあまり買わなくなって、ダウンロードやiPodばかりに頼っている自分には、新鮮な発見だった。
レコード店主によれば、カラオケの練習をするのに、「1小節巻き戻す」といった細かい操作にCDプレイヤーを使うのはとても無理で、特に年配のお客さんにはカセットが好まれているのだという。たしかにそのとおりで、操作性のインターフェイスという観点からすれば、現在のCDプレイヤーやMP3プレイヤーよりも、アナログなカセットのほうが、はるかに優れている。
カセットを聴くのに必要なのが、ラジカセである。1960年代末に日本で生まれた偉大な発明であるラジカセ。ラジオが聴けて、カセットがかけられて、録音もできて、AC電源でも乾電池でも駆動するラジカセは、音楽が室内に縛りつけられることから一歩先に進んだ、画期的な技術だった。1980年代のアメリカにおいて、創生期のヒップホップ・シーンを支える存在として「ブームボックス」、「ゲットー・ブラスター」などと呼ばれ愛されたのを、覚えている方もいらっしゃるだろう。
足立区花畑の団地に工房を置く<デザイン・アンダーグラウンド>は、いにしえのラジカセの美に魅せられた、ひとりのインテリア・デザイナーが職を辞し、40代からの後半生を賭けて開いた、希有な「ラジカセ再生ファクトリー」である。


もうすぐ先は埼玉県という足立区北部の花畑から保木間にかけて並ぶ、築数十年の古びた団地群。花畑という地名があまりに不似合いな、その一角の1階が商店街になっている棟にデザイン・アンダーグラウンドがある。


平日の昼間なのに、ほとんどが営業していない雰囲気のミニ商店街のなか、1軒だけ目立つ乳白色のガラスドアを開けると、いきなりそこはラジカセやポータブルテレビや、部品類が山と積まれたカオス空間。棚で見通せない奥のほうに声をかけると、出てきてくれたのがみずから「工場長」と名乗るデザイン・アンダーグラウンドの主、松崎順一さんだった。


1960年生まれ、最近は『ラジカセのデザイン!』という、ご本人のコレクションを披露しつつラジカセへの熱い思いをぶちまけた写真集も出した松崎さん。「生涯一電気少年」とも呼びたい、その純粋な情熱あふれるトークを、2週にわたってたっぷりお届けする。

http://www.chikumashobo.co.jp/blog/new_chikuma_tuzuki/

ジャンクヤード・ブガルー

前出のラジカセの記事を書くのにいろいろ調べていたら、見つかったのがこれ。アメリカの物好きによる「手作りラジカセ」であります。クルマの部品を寄せ集めて作られたこのモンスター・マシンは重量40キロ以上! アンテナは上下するは、ライトは点滅するは、緊急アラームもあれば、カセットはもちろん8トラックまでかかるという、超すぐれもの。デザイン・アンダーグラウンドの松崎さんのもとにも、よくラジカセ改造の依頼が来るそうですが、こういう狂ったマシン、だれか作って売り出してくれませんかねー。高級オーディオにはまるで興味ないけど、こういうのならぜったい買うのに!


(動作を見せる動画、必見!)

週刊プレイボーイでスナック話+藤原新也さんの新連載

今週号の週刊プレイボーイ(久しぶりに見ました!)で、『ひとりで通うための はじめてのスナック入門』という小特集があります。ぼくもちょろりインタビューで出ているのですが、まあそれはどうでもよくて、記事になっている玉袋筋太郎さんと桐畑トールさんという、ふたりのスナック通芸人による対談がけっこうおもしろい。おふたりは毎月、お台場で『スナック玉ちゃん』という人気イベントを開催しているので、息もぴったり。なんだか、スナックのカウンターでお話聞いてるみたいな、リラックスした気分で読めます。


そして、あいかわらずのヌード・グラビアや、どうでもいい女子アナ話を流し読みしていたら、最後のほうのカラー・ページでなんと藤原新也さんの新連載が始まっているではありませんか。まだ3回目ですが、ぜんぜん知りませんでした・・すいません。

『藤原新也の書行無常』と題されたその連載は、藤原さんが着になるいろいろな場所を訪れて、写真と書(!)をその場で制作するという珍しい企画(もちろん文章も)。ちなみに今週号は1、2年前にネットでけっこう話題になった元ひきこもり少女ダンサー『長野の帝王』を訪ねるという企画。あのユニークすぎるダンスをニコ動などで見ていた方、ぜひお読みください。ちなみにユーチューブで探してみたら、アクセス数100万回を超していて・・・下手なアイドルよりぜんぜん勝ってます。こういうふうに業界のヒエラルキーを壊すネットのちからって、すごいですね。

1922年の天然色映画テストフィルム!

コダック社が開発した最初期のカラー映画フィルムのテストが、いまYoutubeにあがっています。1922年というのは、世の中には白黒のサイレント映画しか出回ってなかったころ。世界初のトーキーが1927年ですから。


そういう時代の無声映画も、いまではたくさん鑑賞することができますが、僕らにとってはスクリーンやモニターの中で、モノクロのイメージでしか知らなかった100年前の人間たちが、こうして天然色で眼前に立ち現れると、その異様なリアリティに、なんだかものすごく不思議な気持ちにさせられます。

そしてなにより、その画面の美しさ! 始めて見たときは、ほんとに息を呑みました。フィルムの感度も低いのでしょう、現代のシャープな画像とはまるでちがう、絵画のような画面。ほとんど「動く古典絵画」です。

そのコダックが協賛に加わっている、モビウス賞という世界的な広告コンペがあるのですが、2009年度にコダック賞を取ったのがこれ、オーストラリア・フットボール・アソシエーションのために制作された一本。ワールドカップをオーストラリアに招致するための広報宣伝フィルムだそうです。


風光明媚なオーストラリアの各地を、サッカーボールがつないでいくという単純な内容ですが、撮影もきれいだし、キックやヘディング、リフティングの技術など、サッカー好きのこころをくすぐる部分もたくさんあり。見ているだけで、足がうずいてくるひともいるんじゃないですか。

で、ついでにサッカー関連CFをもう一本。これはブラジルの携帯通話会社VIVOが作った長編CFで、『1284 ペレ最後のゴール』と題されています。


ご承知のとおり、ペレは生涯に1283本のゴールを決めました。このフィルムは、もしペレが2010年のワールドカップにブラジル代表として参加したら、そしてアルゼンチン相手に最後のゴールを決めていたら、というサッカー・ファンならドキドキせずにはいられない、美しい空想を現実にしてしまった見事な作品。ほんとによくできてて! 最後のゴール・シーンも、ファンなら涙なしには見られません。最近のテレビCFって、ほんとに全部最低ですが、たまにはこういう美しいフィルムを見たいですよね。