2010年11月10日水曜日

孤高の天才テオ・ヤンセンが日本上陸!

オランダの海辺の町で、巨大な人工生命体『ストランドビースト』を作りつづけているアーティスト、というよりマッド・サイエンティストと敬意を込めて呼びたいテオ・ヤンセン(Theo Jansen)。ただいまおとなり韓国で展覧会を開催中ですが、12月から東京でも展示されることになったそう! それも現代美術館ではなくて、江東区青海の日本科学未来館(行ったことあります?)という渋い開催地なので、お洒落なアート雑誌やウェブマガジンはカバーしないかも。いまからスケジュール空けておいて、ぜったい観に行ってください! ほんとはこういうのこそ、現代美術館がやらないとダメなのに。

『「テオ・ヤンセン展〜生命の創造〜」物理と芸術が生み出した新しい可能性』
2010年12月9日(木)〜2011年2月14日(月)
日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンb
http://www.miraikan.jst.go.jp/spevent/theojansen/

本展はオランダ出身のアーティスト テオ・ヤンセン氏の作品「ビーチアニマル」を、科学的な視点で紹介します。 「ビーチアニマル」は大きいものでは体長15メートルにもおよぶ、プラスチックチューブやペットボトル、木材などで構成され、風を受けるとまるで生き物のように動き出します。そんな人工生命体のような作品を通して、生命の本質や未来の生命の可能性を考えます。

本展では新旧計13体の「ビーチアニマル」を展示。世界初公開となる「シアメシス」(体長15メートル)をはじめとする、巨大作品2体と小型作品(体長4メートル)2体が、会場内で巧妙な動きを披露します。また、9つの歴代作品を展示し、作品の進化と生命の進化をなぞらえ、生命の本質に迫ります。
(公式サイトより)

テオ・ヤンセンの作品がどれくらい強力なのかは、映像を見てもらうのがいちばんなのですが、


その全貌を伝える『テオ・ヤンセン 砂浜の生命体』というDVDが出ています。いままではなかなか買いにくかったのが、このほど日本の代理店ができて、簡単にウェブサイトから注文できるようになりました。これ、必見です!


そしてなんと、学研の『大人の科学マガジン』では来年1月発売号でテオ・ヤンセンの『ミニ・ビースト』が付録に付くそう! これはいまから予約しておかないと・・。


ハロウィーンの超絶ライトショー

日本国内では、一部業者の必死の煽りにもかかわらず、たいしてポピュラーにならないでいてくれているハロウィーンですが、本国アメリカでは例年どおりの大騒ぎ。カボチャをくりぬいたジャックランタンや、お化けの仮装をした子供たちなど、おなじみの光景が見られたようですが、友人に教わったこの映像にはびっくり。家の電飾なんですが、その完成度たるや・・・一般家庭なのに。ここではマイケル・ジャクソンの『スリラー』を載せましたが、YOUTUBEにはほかの曲での電飾ショーもアップされているので、全曲ご覧あれ!

チリのダンシング・ドッグ

友人から教えてもらったYOUTUBE特選映像をもうひとつ。飼い主とメレンゲを踊る犬の絶妙演技です! チリ国内ではちょっと知られた存在であるらしいこの犬、キャリーという名前のゴールデンレトリバーで、飼い主の名前はいまのところ不明。しかし素晴らしい調教結果というか、キャリーちゃんの才能に絶句。なんか日本のテレビ局が、カネにもの言わせて連れてきちゃいそうで怖いですねえ。


ちなみにこの映像、初めてウェブサイトに登場したのが8月31日なのに、これを書いているきょうの時点で、YOUTUBEだけですでに750万以上のヒット数! ネットのちからって、ほんとうにすごいです。

ブダペストの異色ロウ人形館ふたつ

最近は温泉めぐりの地としても人気が高まっているハンガリーのブダペスト。レクチャーに招いてもらったあいまに、どこか変わったおもしろスポットはないかと探してみれば・・・なんと4ヶ所もロウ人形館らしきものがあるじゃないですか! 時間の関係で、今回はそのうち2ヶ所だけ訪れることができました。ブダペストには『ハウス・オヴ・テラー=恐怖の館』と呼ばれる有名なミュージアムもあるのですが、こちらはナチス時代、それに続く社会主義独裁政権時代に迫害にあったひとびとを記録する、しごく真面目な展示施設なので、それはほかのガイドブックに任せとくとして・・・

まずは『マフィア・ミュージアム』。市内中心部の立派な建物の地下に2008年冬、オープンしたばかりの犯罪ロウ人形館。資料がハンガリー語ばかりでよくわからないのですが、たぶん国立らしいです。


なぜにハンガリーでマフィアなのかは謎ですが、入館してみれば内部の前半が「シチリア・マフィアの歴史」、そして後半が「現代ハンガリーの犯罪」という構成。シチリアのほうはマフィアの成り立ちから、抗争の主な舞台をアメリカに移してからの血なまぐさい事件現場などで、マフィアの歴史をスピード・ラーニング。





そして後半はドラッグ密輸に売春にと、現在もブダペスト各所で行われているにちがいない犯罪の数々が、リアルなロウ人形とジオラマで再現されてます。小中学生の課外授業にもよく使われているようで、僕が行ったときも現地の小学生が、写真撮りまくってました。ちなみにこのミュージアムは「どんどん写真撮って、なるべくたくさんのひとに広めてください」という寛大な姿勢なので、高感度のカメラ持っていきましょう!






 公式サイト(ハンガリー語のみ) http://www.maffiamuzeum.hu/

いっぽうマフィアと対照的に、「ぜったい撮影禁止!」と厳しい姿勢だったのが、通称『ホスピタル・イン・ザ・ロック=岩窟病院』といわれる「軍事病院&核シェルター」。この不気味な施設、なんとブダ城の地下にあるのです。ブダペストを訪れたことのある方はご承知でしょうが、市内中心部、ブダの丘にそびえるお城。その地下がこんなことになってたなんて・・・。

お城の裏手、めちゃくちゃわかりにくい入口


もともと第2次大戦時に軍事病院として建設され、最盛期(?)には1000人以上の患者がここに収容されていたという岩窟病院。大戦終結後、こんどは冷戦時代になるとさらに規模を拡大、核シェルターとして整備されることになりました。



軍事機密として、その存在が半世紀以上にわたって隠されてきた岩窟病院と核シェルター。2004年までは管理人が住み込みで常駐し、機器類のメンテナンスから、病院のシーツ交換まで欠かさず行っていたというから驚きです。2007年に初めて一般公開。あまり外国人観光客には知られていませんが、こちらもやはり課外授業ではよく使われているようです。



内部はほとんど迷路状態のため、見学は毎日数回設定されているツアーのみになりますが、ハンガリー語のほか、英語のガイド役もちゃんといるので安心。迫真の出来のロウ人形から、往時の悲惨な状況を想像すると、背筋が寒くなってきます!




なお、このふたつのロウ人形館は、12月17日発売予定の『ワンダーJAPAN』2010年12月号で詳しく紹介予定です。ご期待ください!

2010年11月4日木曜日

次回ドミューン、11月9日(火曜)です!

10月はお休みしてしまったドミューン、今回はタイの地獄庭園を中心にしたお話をたっぷりと! ご期待ください!!!

今週金曜日深夜、代官山UNITで池田亮司!

9月のブログでご紹介したとおり、名古屋城で圧倒的な光と音のインスタレーションを披露したばかりのアーティスト池田亮司が、ひと晩だけ代官山UNITに登場します。
“raster-noton.unit”と題された深夜のセットは、盟友カーステン・ニコライとのユニットをメインに据えたパフォーマンス。究極にミニマルでありながら、ダンス・ミュージックとして成立するのか、あの音空間が! これは行かずばなるまい・・・でしょう。

日本が誇るウルトラ・ミニマリズムのアイコン、池田亮司と首領Carsten Nicolai(noto, alva noto)によるスーパー・デュオ、cyclo.が遂に発表する集大成カタログをひっさげての貴重なライヴを披露!二人はそれぞれソロも披露するほか、盟友Olaf Benderによるbyetone、気鋭niboもライヴパフォーマンスを、そして池田亮司の旧友であるWadaがDJで彼らをサポートします。音を周波数のレベルにまで還元化し、徹頭徹尾整然としたサウンドによる美学に貫かれながら、しかしそれでも最上のダンスミュージック足り得る唯一無二のグルーヴを生み出す圧倒的な音響と映像をお楽しみください!
(公式サイトより)

http://www.unit-tokyo.com/schedule/2010/11/05/101105_rasternotonunit.php

ベルリンのふたつの展覧会

出張トークにでかけたベルリンで、オフの日にふたつの展覧会を見ることができました。ドイツ歴史博物館で現在開催中の『ヒトラーとドイツ人 民族共同体と犯罪』展、そしてメッセ(見本市会場)で10月21日から24日まで開かれた『14 VENUS』です。


歴史博物館におけるヒトラー展は、おそらく戦後ドイツで初めて、ヒトラーをテーマにした画期的な大展覧会。ドイツではいまだに公共の場所でハーケンクロイツを展示したり、着用したりするのは法律で禁止されてるんじゃなかったかと思いますが、それくらいナチスに関してはいまだに複雑な感情が残る中で、ヒトラーという稀代の独裁者と、彼をあれだけの独裁者に押し上げたドイツ社会との関係を、多数の展示品や映像によって振り返る内容で、当然ながら毎日長蛇の列ができています。



「民族共同体」とは白人絶対優位主義を標榜したナチズムの基本概念ですが、ヒトラーというひとりの怪物にすべての犯罪の責任を押しつけるのではなく、ドイツ国民がどのようにあの時代をつくり、生きていったのかを多面的に検証する本展は、現代ドイツ人にとってもかなり考えさせられる企画であるはず。一歩間違えれば極右礼賛につながりかねないし、ユダヤ社会からの反発も予想される中で、ほんとうに勇気ある展覧会だと思います。来年2月6日まで開催中なので、もしベルリンを訪れる予定のある方は、ぜひご覧ください。分厚いカタログも貴重な図版満載・・・なのですが、ドイツ語版しかないんですよね! フランスもそうですが、ヨーロッパの大展覧会って、どうしてなかなか英語版を作ってくれないんでしょう。それだけが残念です。

 展覧会パンフレット

問題をはらむ展示物が多いせいか、会場内は撮影禁止なので、。こちらの動画をご覧ください。


いっぽう『ヴィーナス』のほうは4日間だけの会期で、すでに終了してしまったのですが、知る人ぞ知る「世界最大規模のセックス産業見本市」。もう14回目になるというから驚きです。


ベルリン市内の巨大な見本市会場を丸ごと使って、日本を含む世界各国から400以上の業者が参加。ハイテクを駆使した新型バイブあり、リアルドールみたいな高級ダッチワイフあり、DVD大安売りにSMコスチューム特注コーナーありと、どのブースも見応え充分(?)。4日間で数千人の業者と、それをはるかに上回る一般入場者で満員の盛況でした。

 由緒あるメッセ会場も、こんなディスプレーに


おしゃれなリアルドール

イタリア製のバイブ付きオシャレ・チェアとソファ。バイブの動きは前後のみと単調だが

なかでも大きなスペースを占めていたのが、オンライン・セックス業界。いずれもスター級の女優を惜しげもなく投入して、全裸で大開脚パフォーマンス。それに群がるドイツ版カメコ(カメラ小僧)の大群。なんだか日本のアイドル握手会会場を思わせますが、こちらはコスチュームを着てないこと、そしてカメコの年齢が総じて高めなところが特徴でしょうか。


人気のポルノ女優が、気軽に(ハダカで)ブロマイドにサインしてくれます!


しかしこういう大サービスは、かつてDVD業界が得意だったと思うのですが、もはやDVDメーカーのブースはどこも閑散として、完全に勢い押され気味。しかもDVD大安売りはあれど、印刷物のエロ本はついに一冊も見つけられず。エロ業界はやっぱりネット化、デジタル化の最先端を走ってるんですねえ・・・ちょっと寂しいですが。

 各種グッズもたたき売り状態

くつろぎのラウンジにも、こんなプロジェクションが! 
こんなのが入っちゃうなんて、人体の神秘!!! 

広い会場を丹念に見て回ると、お約束の顔ハメ記念写真セットとか、「巨乳の女優さんとツーショット写真が撮れて、その場でTシャツにプリントしてくれる」ブースとか、楽しいコーナーがけっこうあります。バー・カウンターでは常時、半裸のポールダンス嬢がくねくね踊ってるし、休憩所では信じられない巨大ディルドを尻に突っ込まれる男の映像とかが大スクリーンに上映されてたり、それをまただれも見てなかったりと、なかなか興味深いシーンが各所で展開してました。『ヴィーナス』は来年の第15回もも同時期に開催予定だそうなので、興味のある方はたっぷり時間を取ってエンジョイされることをオススメしておきます。
超うれしそうにツーショット写真を決めるファンの男の子



 こちら韓国から唯一参加したメーカー、ネーミングが泣かせます。



カメコの鼻息は世界共通!?


ドイツらしい(?)凝った責め具もあり

セックスって、万人の楽しみなんですねー

来週はハンガリーのブダペストで見つけた、特殊観光スポットを。

岡本光博展『BATTA MON returns』

『バットマン・リターンズ』じゃなくて、『バッタもん・リターンズ』。神戸ファッション美術館の展覧会のために京都の現代美術作家・岡本光博さんが、ブランド品のコピーを解体してバッタに作り替えた作品を展示したところ、ルイ・ヴィトン・ジャパンの抗議を受けて、展覧会からいきなり撤去、カタログも回収という、腰砕け騒動を、先日このブログで報告したのを読んでいただけたでしょうか。


あの『バッタもん』が、大阪の非営利アートスペース「CAS」に再登場することになったそう。

あの・・話題となった「バッタもん」の再登場である。
アートという枠組みの中に安住し、本質的には無益・無害、その副次的な効果ばかりを狙う昨今のアートシーンに反発するかのように、岡本光博はどこまでもアートを社会批評のツールとして用い、さらにはアートというメディアそのものにも批判を加えていく。既成の価値観への異議申し立て、笑いや恐怖といった感情の喚起、多様な欲望の描出、そして文化における引用と剽窃の問題など。コンセプチュアルアートとポップアートの止揚による、現代/社会の批評モデルがそこに存在する。むろん、「オブジェクト」としての魅力も備えながら。 アートと社会の関係、そしてアートとは何かという根本命題・・・、使い古された問いかけではあるが、こうした時代だからこそ「バッタもん」をとおして、もう一度振り返る必要があるように思う。
(公式サイトより)

期間は11月6日から27日まで。今度もまたヴィトンさまからクレームが来るのか、もし来たら今度はどうガチンコ勝負に持ち込むのか、いろいろ興味は尽きません。前回、神戸で惜しくも見逃した方々は、ぜひ大阪展で現代美術としての「バッタもんのバッタ」が、どれだけ世界的ブランドの企業イメージを損ないかねないパワーを秘めているのか(同じ現代美術作家の“オフィシャル”なコラボレーションである村上隆のとかとも較べて)、ご自分の目で確認していただきたいものであります。

『BATTA MON returns』
2010年11月6日(土)?11月27日(土) 13:00-19:00 水・木休み

CAS
大阪市浪速区元町1丁目2番25号 A.I.R.1963 3階
TEL/FAX 06-6647-5088
 http://cas.or.jp/