2011年6月16日木曜日

杉山 登志 TVCM作品集

ツイッターで「JUN」について書いたのを読んでくれた方もいらっしゃるかと思いますが、このところ70年代のテレビ・コマーシャルが気になっていて、探していたら出てきたのがこれ! 伝説のCMディレクター、杉山登志の作品を集めたDVDです。ACC(日本シーエム放送連盟)の監修で、なんとAVEXから去年11月に発売されてました・・知らなかった。

日本のCM黄金時代に(いまじゃありません!)、いまだにこれを超える作品は出てないだろうと思える、美しいCM映像の数々を僕らに見せてくれて、国内外の賞もたくさん受賞して、そうして1973年に自殺してしまった、天才CMディレクター。「天才」なんて言葉を簡単に使いたくありませんが、いまだにCM界で、このひとを上回る作家は出ていないし、こんなふうにテレビ局とスポンサーと制作者が、ポジティブに結びあう時代は、もう、とりあえず地上波には来ないのかもしれません。杉山登志の名前は聞いたことなくても、「リッチでないのにリッチな世界など分かりません。ハッピーでないのにハッピーな世界など描けません」という、あまりに有名な遺書の一節を、どこかで目にしたことのあるひともいるでしょう。

このDVDには「き〜らくにいこお〜よ」のモービル石油とか(鈴木ヒロミツがタンポポふーっとやるやつですね)、彼の主要なクライアントであった資生堂の作品群、もちろん多くのひとが最高傑作とみなすだろう「資生堂シフォネット・図書館編」も、ぜんぶ入ってます。全部で59本、見てるうちに溜息がとまらなくなります。「資生堂シフォネット」なんて、映像による30秒間の完璧な短編小説ですから。


いまから40年も、50年も前のCMがこんなに楽しくて、美しくて、そして予算も技術も問題にならないほど向上しているはずの、2011年現在のCMが、どうしてこんなことになってしまったんでしょう・・。

AVEXの特設サイトでは、残された貴重な絵コンテも見られるので、要チェックです。