2011年5月19日木曜日

東京右半分:足立区のオーダーシューズ工房『nakamura』

日暮里から舎人ライナーで7駅目、江北で降りると……といっても、江北という駅名で「ああ、あそこね」とピンと来るひと、どれくらいいるだろうか。ちなみに江北は東に西新井大師、西には焼肉ファンの聖地・スタミナ苑を擁する鹿浜に挟まれた、足立区西部の町であります。


そんな江北駅に降り立つと、そこは見渡すかぎりの典型的な郊外住宅地。すでに『サイタマノラッパー』のサウンドトラックが聞こえてきそうな、サバービアな景観が広がっている。一休みしようと思っても、喫茶店すら見あたらないバス通りを2、3分歩いていくと、突然現れるモダンな建築。去年末(2010年)に谷中から引っ越してきた、オーダーメイド・シューズの工房兼ショップ『nakamura』だ。

1階が工房、2階がショップになっている『nakamura』は、現代美術のギャラリーのようなホワイトキューブの空間に、使い込まれた家具やディスプレー・ラックが配され、柔らかな革の色と、かすかな革の匂いもあいまって、真っ白なのに暖かい雰囲気。そのなかにシンプルで、でもしっかりと作り込まれた革靴や革サンダルが、ゆったりと並べられている。