浅草にいつもつきまとうのは、観光客も地元民も年配ばかりで、夜が早いというイメージ。街がはやるようになっても、すたれても、これだけは昔から変わらない。
たしかに夜中の浅草を歩いてみると、街灯だけがぎらぎら冷たい明かりを投げかけ、商店の軒下を借りたホームレスの段ボール・ハウスが目立つだけ。ひとの気配は、ほとんどない。
でも、浅草は夜もちゃんと生きている。地下鉄やつくばエクスプレスが終電になったあと、どこからともなく飲み助や、腹を減らしたやつらが集まってきて、明け方まで、場合によっては陽が高く昇るまで、飲んで食べて、歌って踊って。そういう店が実はたくさんあって、知ってる人は知っている。
観光客が寝ちゃったあとの、サラリーマンが遠くの我が家に帰っちゃったあとの、浅草地元民のための深夜の浅草を、いっしょに徘徊しよう!
前編となる今週は、オレンジルームとカズンという、2軒をご紹介。オレンジルームは深夜4時まで、すごくちゃんとした食事が楽しめるダイニング・バー。まだ若い兄弟が店長とシェフを勤める店で、クールな内装の空間で、シャンパンとフォアグラのソテーだとか、ちゃんとオーダーを受けてから焼くピザとか、揚げたてのカレーパンとか、酔っぱらった空きっ腹にはたまらないメニューが揃っている。
オレンジルームお隣のカズンのほうは、朝11時から朝5時まで、しかも365日無休という、気合いの入った営業体制。野菜のオーブン焼きやタコライスやシーザースサラダみたいな、フレッシュなインターナショナル・メニューがいつでも食べられて、もちろんカフェだからコー ヒーやお茶も、アルコールも充実していて、インターネットの無線LANも無料であり。こういう店が恵比寿や下北沢じゃなくて、浅草のど真ん中に隠れている ところが楽しい。
しかしこうして取材に回ってみると、浅草って、まだまだ知らないところだらけだなーと実感。これからもどしどし、みんなの知らない浅草のBサイドを紹介していきます!
http://www.chikumashobo.co.jp/blog/new_chikuma_tuzuki/