アトリエ空中線@ポスターハリス・ギャラリー
ずいぶん昔に京都で知りあった、間奈美子さんというひとがいます。このひとは未生響という名前で詩人として活動しながら、<アトリエ空中線>という自費出版・造本工房を主宰しています。
彼女が装丁した自費出版の詩集を通して、僕はその活動を知ったのですが、とにかく古風で端正で、エレガントで、当時のあらっぽいインディーズ・シーンとは完全に一線を画す、そのスタイルというか美意識にびっくりしました。編集・造本・組版・印刷製本設計・配本まで、すべて作家たちと一対一で取り組み、みずから手がけてきた、そのこだわりにはなみなみならぬものがあります。
造本の技術を覚えるために、町の小さな製本屋で働いた経験もある間さん。現在は活動のベースを京都から東京に移しているようですが、今年で10年になったアトリエ空中線の活動を眺めなおす、珍しい展覧会がいま開催中です。約120点に及ぶ全制作書籍から、印刷に使用した箔押しや凸版の原盤も展示されているそうなので、リトルプレスに興味ある人は、急いで行ってください。12月6日までしかやってません!
ポスター・ハリス・ギャラリー
http://posterharis.com/gallery.top.html
アトリエ空中線(空中線書局)