2010年3月3日水曜日

東京右半分:仲見世裏のクチュリエール

休日だろうが平日だろうが、いまや原宿竹下通りより混んでるんじゃないかという浅草雷門前・仲見世通り。耐え難き喧噪を避けて一本裏道に入ったあたり、昔ながらのお菓子屋や飲食店が並ぶ通りに、ファサード全面を朱色に塗り込めた、異様に目立つ店がある。『弥姫乎』・・・これで「みいこ」と読ませる、着物をベースにしたオリジナル・ファッションを制作販売するショップだ。

ずっとその存在を知ってはいたけれど、中年男がひとりで入店するには、いささか敷居が高い。取材を口実に今回初めてガラス戸を開けて入ってみると・・・店にはだれもいないじゃありませんか。不用心! 「すいませーん」と声を上げると階段をトントンと降りて、黒いドレスをまとった女性が姿をあらわした。飯塚美鈴さん、彼女が弥姫乎の代表兼デザイナー兼店員さん。つまりこのお店、そしてこのブランドは、飯塚さんがひとりで作って売っている、手作りクチュールなのだ。


http://www.chikumashobo.co.jp/blog/new_chikuma_tuzuki/