2011年4月20日水曜日

ラフォーレ原宿でヘンリー・ダーガー展!


なぜかあまり広報されていないようですが、今週土曜日からラフォーレ原宿で、大規模なヘンリー・ダーガー展が開催されます。

家族も友人もなく、天涯孤独に生きたヘンリー・ダーガー。彼はその侘しい実生活を棄て、自身が夢想した物語『非現実の王国で』の中で生き、そこで起った出来事を、生涯を賭して記録しました。

ダーガーにとって『非現実の王国で』を綴り描くことは、人に見せるためでも、余暇の楽しみでもなく、生きることそのものでした。この特異な創作は、下宿先の大家夫妻によって偶然に発見され、彼の死後、人々の目に触れることになりますが、その不可思議な世界観と強烈な表現欲求は観る者を圧倒し、魅了し、心を捉えて離しません。

しかし、この物語を生み出したダーガーという人物は多くの謎に包まれたままです。彼は一体何者で、何を考えていたのか?何を愛し、求めていたのか?心穏やかに最期を迎えることができたのか?など、多くの謎が残されているのです。

本展は、最新の研究成果のもと、ヘンリー・ダーガーの実人生と『非現実の王国で』を解き明かすことを試みる企画展です。会場は、ダーガーの幼少期にフォーカスをあてる[Early Days]、ダーガーが興味を抱いていた事物を紹介する[Archeology of Henry Darger's Room]、『非現実の王国で』の挿画64点を展示する[Welcome to the Realms of the Unreal]、自叙伝と本邦初公開となる遺品6点を紹介する[History of My Life]、様々な分野の著名人から寄せられたコメントを通じてダーガー像に迫る[Hommage]という5つのセクションで構成。彼が人生の後半40年を暮した部屋から見つかった遺品や書き物を手がかりに、ヘンリー・ダーガーの虚実に迫ります。
(公式ウェブサイトよりhttp://www.lapnet.jp/event/event_l110423/

日本では久しぶりとなる、大規模なダーガー展。20世紀最大のアウトサイダー・アーティストの深みに、この機会に打ちのめされてください!

会場では、今回の企画協力者である小出由紀子さんと僕が、このために作った出版社(涙)から自費出版した、ヘンリー・ダーガーの部屋を記録した写真集『HENRY DARGER'S ROOM』も販売されるので、ご覧いただけたら幸いです。彼の脳内宇宙をそのまま立体化したような鬼気迫る室内は、ダーガーの作品宇宙にアプローチするうえでも、有効なナビゲーションになるはずです。