長らく愛読、しかしなかなか毎号は買えないでいたアートトラック愛好家雑誌『カミオン』。久しぶりに11月号を買ってみたら・・これがすごい! 「夢中でペダルをこいだ追憶の日々! デコチャリ卒業生・青春白書」という、涙なしには読めない特集になんです。
こんな感じに、現在の愛車と当時の愛車が並べられている。
付録DVDも必見! ちなみにバックにしたのは、
僕がいちばん好きな「子供によるデコトラ・イラスト投稿ページ」
僕がアートトラック(デコトラ)のデザイン・パワーに魅せられて、『Cruising KINGDOM:アートトラック・疾走の玉座』という写真集を作ったのが2000年のこと。それからもう10年以上が経ってしまったとは驚きですが、当時取材していてわかったのは、いまアート活動(デコトラを運転することを、業界用語ではこう言う)に励んでいるトラッカーの中には、中学高校生のころに「デコチャリ」にハマっていたひとがけっこう多いという事実。デコトラは乗り回したいけれど免許はなし、ということで、愛用のママチャリをせいいっぱい飾り立て、飾りすぎて重くなりすぎ、乗れなくなったチャリを押して歩く——アートにかけた、そんな熱い青春時代を送ってきたトラッカーが、たくさんいるんですねえ。
で、今月のカミオンは、いまトラッカーとして活躍するひとびとの、現在の愛車と、かつてのデコチャリを並べて紹介し、思い出話を取材したもの。これはもう、専門誌にしかできない、さすがの企画です。
デコチャリ時代の思い出を語りつつ、日光街道を爆走する「花道丸」と「神農丸」2台の名デコトラなどが収められたDVDも付録について、至れり尽くせり。考えてみれば彼らアート・トラッカーたちは、自転車のペダルをトラックのアクセルペダルに替えただけで、アートを背負ってペダルを踏み込むスピリットは、中坊時代から現在までまったく変わりがないわけです。アート活動にもいろいろありますが、これだけブレのない、熱い精神がみなぎってるのって、美術界よりトラック界のほうがすごいのかも。