

ちなみに近隣の最安駐車場は月3万円だそうです・・・涙。
ただでさえごちゃごちゃ入り組んだ飲み屋街に、夜ともなればアジア女性と客引きが競うように酔客にすり寄って、いまや歌舞伎町よりスリリングかつデンジャラスな雰囲気をかもしだす湯島かいわい。そのただなか、雑居ビルの2階。なかなか入りにくいが、しかしかわいらしいギターの看板が、一歩踏み出す勇気を与えてくれる<スナック・エスペロ>。上野、湯島界隈でながく店をやってきた和田マスターが開く、一見ふつうのスナック、実はマスターの超絶スパニッシュ&ボサノバ・ギターが堪能できる、ギター好きにはたまらない隠れ名店であります。
北千住駅西口を出て左側の、巨大な飲食街のただなかで、いま6軒の飲食店舗を展開する、若い兄弟がいる。兄の島川一樹さんと、弟のシマカワコウヂさん。生まれ育った長崎から中学時代に北千住に引っ越してきた。
兄弟ふたりで最初に作った店が、1997年開店の『コズミックソウル』。名前はニューエイジふうだが、中味はショット売りのカクテルバー。ソウル・ミュージックを流しながら、ひたすら酒のうまさを追求する、渋いオトナのテイストだった。
開店から1年半ほどで、兄の一樹さんは他店舗の経営に乗り出し、コズミックソウルは弟のコウヂさんに任されることになる。そのときコウヂさんは20歳。
若きマスター・バーテンダーに転機が訪れたのは、2001年のこと。それまで楽器など触ったこともなかったこともなかったコウヂさんだが、いきなりギターを始めて、50日ほど練習したあと、初めて人前で歌ったら、「歌はともかく選曲がいい!」とみんなに誉められて、「でも自分では、”いい”という言葉しか頭に残らなくて、ほめられた~~~!って思っちゃって、それから勘違いして、どんどん音の世界に入っちゃったんです」。
音に目覚めたコウヂさんのもとには、いつしかさまざまな民族楽器や演奏家が集まるようになり、おしゃれなカクテルバーは、どんどん「音神社」化していった。モンゴルのホーミーを練習するようになって、店も「倍音カフェ&バー コズミックソウル」に改名。お兄さんも呆れるペースで、エキセントリックかつ濃密な「音と酒の空間」に変身している。
コズミックソウルの、もうひとつの自慢は、渋谷区笹塚のラボから手作りの真空管アンプを世に出している、小松音響研究所(http://blog.komatsuonkyo.com/)による、特注サウンドシステムだ。サウンド・アーティストの友人に紹介されて、その暖かくリアルな音にひと目(耳)ぼれ。本来は、特注でシステムを組んでもらうお金の余裕はとうていなかったけれど、熱意で小松さんを動かし、店にちょうどいいシステムを作ってもらった。
いまではコズミックソウルから、小松音響研究所製の真空管アンプは、兄弟が手がける他の店舗にも広がっている。立ち飲み屋『南蛮渡来』でレゲエを聴きながら、まず一杯。『わかば堂』でジャズとピッツァとワイン。『あさり食堂』で釜焚きのご飯や『でんでら亭』でお総菜をつまみながら、スタンダードに酔う。こんな「真空管アンプ・ツアー」が北千住の、それも歩いて2、3分圏内で、できてしまうのだ。表参道でもなく、代官山でも中目黒でも下北沢でも吉祥寺でもなく、「オヤジの町でしょ」と言われつづけてきた北千住で。
今週はそのベースキャンプであるコズミックソウルを、来週はほかの「真空管アンプの店」を訪れてみる。
http://www.chikumashobo.co.jp/blog/new_chikuma_tuzuki/
店のカウンターに置いてあると、つい手に取ってしまう『銀座百点』。聞いてみたら昭和30年創刊だそうで、すごい長寿雑誌というか、フリーペーパーの元祖なんですね。
銀座百店会という、銀座の老舗が集まってできた組合の会報誌である『銀座百点』、およそ僕なんかとは関係のない、グッドテイストな雑誌だと思っていたら、なんとこないだ座談会に呼ばれてしまい、それもテーマが『達人のカラオケ文化論』、それも座談のお相手がアナウンサーの鈴木史朗さんと、藤原新也さん! まるで格の違うおふたり相手に、僕なんかがなにをしゃべればいいんでしょう・・・という感じでしたが、予想外に楽しい座談になって、それが今月号に掲載されています。
鈴木史朗さんは歌謡番組の司会を長く務め、ご自分でCDも出されているほどの歌自慢。藤原新也さんのほうも、作風とはぜんぜんちがいますが(笑)、実はすばらしい歌上手。松田聖子とか歌わせたら、絶品です。そういうカラオケ通の(僕だけちがいますが)オヤジ談義、ご笑覧ください。『銀座百点』は、銀座のお店でけっこう見つかりますが、探せなかったひとは編集部のウェブサイトがあるので、お問い合わせを。雑誌を置いてある百店会のマップも載ってます。
ちょっと前に連載をさせてもらっていた、月刊カラオケファンというマニアックな雑誌があるのですが、いつもは氷川きよしとか、メジャーどころの特集ばかりなのに、今月の巻頭特集はなんと『演歌流しの今をたずねて・・・』。いまや絶滅寸前となった、街の流しを追った素晴らしいストーリーです。
たった7ページほどの特集ですが、北島三郎や渥美二郎など、演歌流しから歌手デビューした歌い手たちのインタビューもあって充実。そしてなんといっても現在、新橋でたったひとりとなってしまった現役の流し”ケンちゃん”の密着レポートが出色。もう45年もこの世界でがんばっていて、「夜7時くらいから深夜2時くらいまで仕事をします。だから寝るのは近くのサウナとかが多い。帰るところがないので、着替えは数カ所の行きつけのクリーニング店にある個人用試着室に何着か釣ってあるのです」・・・こんなひとが、まだいるんですねぇ!
流しの世界は、実は僕も前から興味があって、追いかけようと思ってたんですが、今年は新宿ゴールデン街の伝説的流しのマレンコフ(このひとは60年間も新宿で流していたそう)も、昭和30年から別府温泉を流していた名物コンビ”はっちゃん・ぶんちゃん”の、はっちゃんも亡くなってしまい、ほんとに風前の灯火です。
これもぜんぜん話題になってませんが、この3月には『演歌師稼業 街中に根付く流行歌を唄って』という、現役演歌流し5人のオリジナル楽曲を収めたCDも、ひっそり発売になってます。ケンちゃんこと須賀慶四郎さんの『烏森流し唄』を筆頭に、亀戸をベースに歌いながら、アフリカや北朝鮮でのボランティア活動にも情熱を燃やす京一夫さんの『ひとり酔い』、秋田市川反の相原旭さんの『演歌師一代』など、ほかではまず聴くことのできない、濃厚なストリート・テイストを堪能できます。両方、すぐアマゾンとかで買ってください!
古書ファンなら昭和28年から45年の17年間にわたって、145巻が刊行された『建築写真文庫』という、かわいらしい写真集シリーズをご存じかもしれません。
ウジェーヌ・アジェが消えゆくパリを、ベレニス・アボットが変貌するニューヨークをとらえたように、日本のミッドセンチュリー・デザインをもっとも完璧にとらえた記録である、この偉大な、しかしまったく失われたまま半世紀近くがたっていた写真シリーズが、いま甦ります。版型はオリジナルと同じ四六判、しかも800ページというボリューム。全145巻のうちから商業施設に関わる79冊を選び、1200点近くの写真をスキャンしなおして、本書は制作されました。
発行元は建築図書専門の出版社である彰国社。12月4日から書店に並びますが、一部の大書店か建築専門書店でしか見られないと思うので、内容を詳細に説明するウェブサイトをつくりました。まだ未完成ですが、解説と、70点近くの写真が見られるようになっています。ぜひいちど、ご覧ください。
http://showastyle.blogspot.com/
発行元ウェブサイト:http://www.shokokusha.co.jp/
紅白歌合戦の出場者も発表されて盛り上がる(そうでもない?)きょうこのごろ、今週から5週間にわたって、なんと週刊アサヒ芸能誌で演歌の短期連載を始めることになりました! それも今回はインディーズじゃなくて、超売れっ子女性演歌歌手シリーズ!
その第1回目である今週は、『無言坂』でおなじめ、香西かおりさんの「密着ドキュメント」です。ドキドキしながらのロング・インタビューの成果、お読みください。週刊誌なので、すぐなくなっちゃいますから、購入はお早めに! 特集も渋いですよー(笑)。なお来週は、八代亜紀さんの登場です!!!
http://www.tokuma.jp/magazine/weekly-asagei/9031520a30a230b530d282b880fd-12-1053f7