roadside diaries
最近は清野とおるさんのヒット漫画『東京都北区赤羽』で認知度も高まり、そこかしこで話題の、しかしそれにしてはオシャレ若者がぜんぜん増えた気配のない赤羽駅東口に立つ。
目の前に広がるブロックまるごとのピンクゾーン。その中核にそびえたつのが健全グランド・キャバレーの雄、ハリウッド赤羽店。1967年開店だから、もう40年以上営業を続ける老舗だ。現在、池袋、北千住と3軒残るハリウッドのうちで、もっとも昭和のキャバレー空間の雰囲気を色濃く漂わせる店でもある。
いにしえの高級ホテルのようにゆったりとしたエントランスを抜けると、ボックス席の向こうに吹き抜けのダンスフロアが広がる。専属の生バンドがダンス・ミュージックを奏でる頭上で、光吹雪をまきちらすミラーボール。広さは北千住店の3倍近くあろうか。
行ったひとはわかるだろうが、歌舞伎町のクラブハイツが閉店してしまったいま、広さで言えば銀座の名店『白いばら』と双璧をなす、いまや東京屈指のスケールである。