2009年12月2日水曜日

演歌よ今夜も有難う:津軽の氷川きよし、大和たけるさん


喫茶店のテーブルを挟んで、目の前にふたりが座っている。大和たけるさんと、藤原りかさん。自身の歌そのままに手を取りあって演歌の道を歩みつづける、ふたりは青森をベースに活動する歌手であり、パートナーでもある。

 大和たける(本名・木村誠)さんは昭和46年3月11日、津軽平野の南端に位置する青森県平川町(現・平川市)に生まれた。トラック運転手だったお父さんは大の演歌好き。小学生のころから、年に似合わぬオトナの歌に親しみ、地元のカラオケ大会やスナックでノドを披露しては、オヒネリをもらうほどの歌上手だった。

 中学校時代には剣道に打ち込むが、どうにもからだの具合が悪く、病院で診断を受けたところ、重い腎臓疾患が発覚。高校を卒業するころから、透析治療を始めなくてはならなくなった。



病気のおかげで土地を離れることもできず、昼間フルタイムで働くこともできないまま、トラック運転手、駐車場勤務、運転代行など、夜できる仕事を転々とするようになったが、ひょんなことから歌謡大会の仕事を手伝うようになり、そこで知りあった藤原りかさんに詩の才能を再発見されて、30歳を過ぎたころ歌手デビュー。2004(平成16)年には初のCDシングル『男の宝/浪花の女』を発表、2006(平成18)年には第2弾CDシングル『契り船(ちぎりぶね)/茨人生(いばらみち)』を出す。現在にいたるまで、どこのプロダクションにも、レコード会社に属することもなく、藤原さんとたったふたりで、車に音響設備も積んで、地元の青森をベースに東北を歌い歩く生活を続けている。


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