大麻好きにアムステルダムがあるように、レイブ好きにイビサがあるように、褌(フンドシ)好きには浅草がある。浅草は日本褌界の聖地であるのだ。
浅草と褌といえば、もちろん三社祭が頭に浮かぶ。最終日には150万人がくりだすという日本最大級のお祭りである三社祭は、褌好きと、褌を締めた男が好きという男(と女?)が日本中から集まる場でもある。朝っぱらから自慢の褌一丁キリリと締めて、歩き回っても酔っぱらっても、だれもなにも言わないどころかリスペクトされたりする。褌好きに言わせれば、「三社祭は褌の野外フェス」なのだ。褌界のフジロックとか、サマソニみたいな・・・。
東京のゲイタウンとなると、まずは新宿2丁目といいうことになろうが、実は浅草・上野一帯もまた、新宿とはひと味ちがったゲイ・スポットが集中するエリアとして、その道の人々にはよく知られている。新宿と、どうひと味ちがうのかといえば、浅草・上野エリアのゲイ・スポットは、年配中心ということ。年齢層が、ぐっと高めなのだ。
新宿2丁目とはちがって、浅草のゲイバー/スナックは一個所に固まるのではなく、ふつうのスナックが並ぶ中に、一見それとわからぬように営業しているのが特徴でもある。ドアには「会員制」と札が下がっているが、「ゲイの店」なんてもちろん記されていない。知ってる人だけがひっそりドアを開け、迎え入れられる、そういう遊びの場所だ。
浅草のゲイバー/スナックには褌で飲める店がある、というウワサを以前から聞いていた。聞いてはいたが、当然ながらノンケは入店お断りなので、「じゃあちょっと覗いてみるか」というわけにもいかない。ちょっと気になったまま忘れかけていたが、今回はこの連載のためにカラダを張って!、潜入取材してみました(涙)。
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