プロレスの聖地といえば後楽園ホールだろうが、最近は有明のディファや新木場のファーストリング、板橋グリーンホール、北千住シアター1010、鶯谷・東京キネマ倶楽部など、東京右半分の会場が多い。サッカーや野球が似合うのは左半分かもしれないが、プロレスにはやっぱり右半分がよく似合う気がする。
プロレス全体が地盤沈下の現在でも、女子プロレスの衰退にはこころが痛む。ビューティーペアやクラッシュギャルズのころは、ゴールデンタイムのテレビ中継が当たり前だったのに、いまや地上波のテレビ中継はゼロ。観たい人は、会場に足を運ばなくてはならない。しかしテレビ中継がなくなり、スポーツ新聞にもさっぱり取り上げられなくなった現在でも、試合のある日を楽しみにして、リングサイドへと駆けつけるコアなファンは、ちゃんと存在しているのだった。
JR常磐線亀有駅からバスに乗ること20分、バス停から徒歩3分という静かな、というより鄙びた住宅街に、JWPの道場がある。1992年に旗揚げされたJWPは、キューティー鈴木、福岡晶などの人気レスラーを生んだ、今年で創設19年目になる老舗団体である。当初、埼玉の三郷に道場を構えていたが、7年ほど前から選手の陣容を一新、足立区の住宅街に道場兼事務所を構え、現在にいたっている。
クリスマスが近い日曜日の午後、道場で行われた「道場マッチ」を観戦に行った。「JWP女子プロレス」のノボリが寒風にはためく会場に近づくと、徒歩やママチャリで入場口に向かうひとが、けっこういる。スポーツ観戦というより、なんだか近所のコンビニに買い物に行くぐらいの気楽な感じだ。