アメリカに数あるプロ・スポーツのうちでも、プロレスは微妙な位置にある。選手の学歴を見ても、大学を出ていないと実質的にプロに入りにくい、フットボールやバスケットボールがまず頂点にあって、野球やホッケーがそれに続き……ピラミッドの最底辺に位置するのがプロレスだ。観客の知的レベルも、選手の知的レベルに比例する……とは言わないが、アメリカのプロ・スポーツ界でプロレスはいまも昔も差別待遇を強いられてきた。
日本でもここ数年、WWE(もともとWWFという団体名だったが、同名称の世界自然保護基金に訴えられて改名)が来日興行したり、ケーブルテレビで放映があったりして、日本の団体とはひと味ちがう試合のスタイルや観客の熱狂ぶりに、ファンになったひとも少なくないだろう。しかし日本でもメジャーな団体の陰に無数のインディーズ団体があるように、アメリカにもWWE、TNAなどの超メジャー団体とは一線を画す、数多くのインディーズ団体が全米各地で細々と生き延び、血と汗と涙を流している。そういう、日本にいてはなかなか知ることのできないアメリカン・インディーズ・プロレスのDVDや各種グッズを専門に扱うネットショップが<フリーバーズ>だ。
「アメリカン・インディーズだけの店は、日本でウチだけです!」と言うオーナーのタカ中山さんを、西日暮里のマンションの一室に訪ね、お話をうかがった。