2010年2月10日水曜日

「脱がす」から「着せる」に! スペインとアメリカの逆ポルノ

いま、中野のタコシェでパロマ・フランコというスペイン人アーティストの作品集を販売中です。



スペインの女性アーティストパロマ・フランコさんは、ポルノグラビアに上塗りして、獣のように絡み合う男女や淫らな女性たちを、お料理や音楽やスポーツを楽しむ素敵な絵に修正し、皆さんで楽しめるような作品集にしました。 
表紙のように、手ブラ女性に洋梨を持たせてあげたり、尺八をマイクに替えてソウルフルな熱唱へと昇華、3人の紳士は何やらチェスに興じていますが、みんなの注目を集める注ぎかけのミニボトルの位置や大きさが絶妙だったり、空手の突きが決まって失神寸前の道場の女性たち、恍惚とダンスするジェントルマン皆さん、いい表情と微妙な体勢で趣味を楽しんでいます!
170×240 56P オールカラー



・・・という解説のとおり、ポルノグラフィの上に絵を描くことで、不思議なコラージュ画面を構成しているわけです。
作品が制作されたのは、いまから2,3年前のようですが、実は同じころ、アメリカで同様のウェブ・ギャラリーが話題を集めました。sfw-pron.comというサイトですが、sfwは"safe for work porn" の略。つまり「職場で見てても安全なエロ」のことですね。これもパロマ・フランコと同じく、ハードコア・ポルノの画像に塗り絵を施し、ユーモラスな別の絵にしてしまおうというもの。


しかしこちらはアートとか言わず、お遊びサイトなのですが、これに目をつけたイタリアのファッション・メーカー、ディーゼル社が、2008年度にsfwのイメージを借用してPVを作っています。これも秀逸!



どっちが先か、なんて議論は不毛なのでやめますが、最近、着衣とヌードを組み合わせたグラビアって、よくありますよね。着衣の写真の、一部が剥がれて裸体が見れるやつ。あれは「この子、脱いだらどうなんだろう」というストレートな妄想の産物ですが、こちらはその逆。ポルノをポルノ以外のものにしてしまおうという、はるかにアヴァンギャルドな発想でしょう。こうすることで、ポルノグラフィが宿命として持つ滑稽さも強調されますし。「脱がせる」から「着せる」へ! おもしろいこと考える人たちがいますねえ。