中野タコシェのオンラインショップで見つけて、思わず注文してしまったのがこの本。パリのオルタナティブ系出版社ANKAMA EDITIONSが出版した、メキシコのルチャリブレ・アートワーク・コレクションです。著者(というかコレクター)はジミー・パンテラという御仁。タコシェのサイトによれば——
ベルギーのルチャ・リブレ(メキシカンプロレス)おたく、ジミー・パンテラさん(本業はデザイナー)が、これまで収集してきた資料やメキシコ取材で撮った写真などを,自らデザインして作り上げたアートブック。最近では、興行やイベントを仕切ったり、ルチャ・リブレに関するアートの展示まで行なう程の熱の入れようで、ルチャ・リブレは人生や戦いが凝縮されているとまで言い切るジミーさんが、ルチャ・リブレへの思いを詰め込んだ一冊。画像ではわかりにくいですが、ブルー・デーモンのマスクと一体化した青い表紙のタイトルまわりは金の箔押しで、装丁も含めて美しい本です。
祝祭的な色合いのマスク、メンコみたいなレスラーカード(印刷の版ずれが味わい深い!)、決め技の図解、試合のチケットやポスター、記録写真、雑誌や新聞の記事、ルチャ・リブレ史上最大のヒーロー・サント出演の映画ポスターやコミック&もうひとりのスター・ブルー・デーモンの映画や実写コミック、など貴重な図版が惜しみなく使われています。またフィギュアやブロマイド、現地での試合の模様、ポスターなどの印刷所やその独特のタイポグラフィ、などの現地取材資料も豊富。
日本で人気のミルマスカラスの姿もあり、ルチャ・リブレのスターたちが一堂に会してます。
ということで、これはルチャ・ファンのみならず、ファンクなグラフィック好きなら、押さえざるをえないアイテムでしょう。出版社のサイトでは、中味も見られるようになってます。
実は僕も2000年(もう11年前か!)に『Lucha MASCARADA―メキシカン・プロレスと仮面の肖像 』というデザイン・ブックを出したんですが、アメリカのショー・プロレスとも、日本の人生劇場型プロレスともちがう、メキシコ独特のルチャには、なんともいえない美的感覚があります。できれば両方併せて、お読みください!
ちなみにこちらは2005年、展覧会で訪れたメキシコシティで、ひょんなことから撮影させてもらえることになったルチャリブレ界のスーパースター、エルサント(2代目)。いままで使用したことのない、未発表写真をオマケにどうぞ。おしゃれデザイナーズ・ホテルで撮影したんですが、もう従業員から道行く子供たちまで、大騒ぎ! 変わることのないメキシコのルチャ人気を実感しました。