羽田空港を福岡に飛び立ったのが午前10時30分。福岡空港に12時25分到着、地下鉄で博多駅に出て、特急みどり号で有田まで。そこから松浦鉄道に乗り換えて伊万里まで、さらに乗り換えて終点の松浦にたどり着いたら、午後5時08分になっていた。合計6時間38分。福岡からも長崎からも遠く離れた松浦は、ここだけちがう時間が流れているような、静かな漁師町だ。
モンゴル村で知られる鷹島へのフェリー乗り場近く、九州電力の巨大な火力発電所がそびえる国道脇に、久江ママのスナック来夢来人がぽつんと明かりを灯していた。まわりは真っ暗。こんなところに飲みに来るひとが?と訝りながらドアを押すと、なかはうってかわって大盛況。入って左手にカウンターがあって、右側は料理屋のような小上がり。コタツまで備えてある。焼酎の瓶と料理を並べて、「そろそろ歌うかのぉ、アレ入れてや」とかママさんに声をかけてる男衆も、すごく居心地良さそうだ。