2011年8月18日木曜日

『監獄ラッパー B.I.G. JOE』発売!

『新潮』に連載中の『夜露死苦現代詩2.0』でさきごろ取り上げた北海道在住のラッパー、B.I.G. JOEの自伝が発売されることになりました!(8月25日発売予定)

連載を読んでいただいた方はおわかりかと思いますが、B.I.G. JOEは90年代を通して日本語ヒップホップの先駆者として北海道のシーンを牽引する存在でありながら、2003年にヘロイン密輸容疑で逮捕、オーストラリアで6年間の刑務所生活を送ることになります。

自伝ではその過酷な刑務所生活の中で、いかに自分がヒップホップを再発見し、獄中からひそかにカセットテープを送ったり、電話を通してラップしながら、制作活動を持続させていったか、そしてそういう前向きな姿勢を保ちつづけることによって、いかに自分がクリーンな存在としてカムバックを果たすようになったのかが、素直な筆致で描かれています。

囚人番号345506、南の果ての記憶

2005年、奇妙な音声で録音された「Lost Dope」という曲が、日本のヒップホップ・シーンに衝撃を与えた。声の主は札幌出身のラッパーB.I.G. JOE。ヘロイン密輸容疑で逮捕され、オーストラリアの刑務所に服役中だった彼は、日本への国際電話を利用し、そのラップを吹き込んだのだ……。本書は、異国の獄中で過ごした日々を綴った、B.I.G. JOE 6年間の手記である。事件の顛末、裁判の行方、塀のなかの過酷な生活、そして、前向きに生きる力を与えてくれたラップという表現手段。収監中の身でありながら日本で発売された数々の作品は、どのように制作されたのか? 長い刑期のなかで彼は何を感じ、何を思ったのか? その全貌が、ついに明かされる。

【CONTENTS】
■プロローグ
■密輸計画
■無言の取調室
■幻覚と選択
■裁判
■判決=Not完結
■愛と孤独と決別と
■新天地
■ジェイルで生きるための10の戒め
■グローバルな食生活
■ロスト・ドープ
■マッチョ・ワールド
■スタジオのある刑務所
■監獄ラッパー誕生
■母の面影
■ザ・犯罪学
■塀のなかの住人たち
■ドラッグ・ビジネス
■ミッドナイト・エクスプレス
■LIKE A 修道院
■生きることと創造すること
■6年
■フリーダム・フライト
■再会
■監獄ラッパー・イズ・バック
■解説:二木 信
                        (出版社サイトより)

当然ながら、連載記事の中では語られることのなかった、刑務所生活のディテールにも大きな割合がさかれ、極限状態の中でクリエイティブでいつづけることが、精神を正常に保つ上でいかに重要かが、行間からひしひしと伝わってきます。

なお、『新潮』の連載にあわせてつくられた特設サイトでは、まだ連載記事の抜粋と、B.I.G. JOEの過去の音源が4曲もフルで聴けるようになっていますので、本書とあわせてチェックしていただけたら幸いです。


夜露死苦現代詩2.0 特設サイト B.I.G. JOE: