2011年8月3日水曜日

VOBO 妄想芸術劇場:カツ丼小僧という生き方


ここ数年の常連投稿者のうちで、もっとも多作なアーティストのひとり、「カツ丼小僧」の膨大な未発表作品のいくつかを、先週はご紹介した。つづいて今週、来週もカツ丼小僧の回をお送りする予定だったが、本サイトがサーバーのリニューアルにより更新が数週間お休みになってしまうということで、今回は未発表作品の続編と、アーティスト本人のインタビューをまとめてお送りしたい。

この連載を始めるにあたって、僕にはふたつの思いがあった。ひとつは、それまで月ごとにバラバラに見ているだけだった投稿作品を、アーティストごとにまとめて見直してみたかったこと。それからもうひとつ、このような作品を、それも数年から20年あまりにわたって、しかも返却されないまま投稿しつづけるとは、いったいどんなひとたちなのか、できるならば作者に会い、そのパーソナリティに触れてみたいという強烈な思いだった。

投稿作品のウェブ上での再掲載は、どの投稿作家もこころよく承諾してくれたが、インタビューのほうは予想外に難しかった。編集部を通してのコミュニケーションは電話やメールですらなく手紙のみ、会うことだけは辞退したいという作家たちがあまりに多く、それはそれで投稿イラストページのアーティストたち、という存在について考えさせてくれることにもなった。

そんな状況の中で、今回ご紹介するカツ丼小僧は僕が、そしてニャン2編集部のスタッフにとっても、実際にお会いすることができた初めての投稿作家である。まずはそのご厚意に深く感謝したい。

東京都心から電車で30分ほど、駅前繁華街にほど近いワンルームマンションの一室が、カツ丼小僧の住み暮らす世界である。