2011年9月15日木曜日

東京右半分:指の魔法に酔う一夜

思い起こせばもう2年も前、2009年の9月に始まったこの連載、今週で93回目を迎えて、あと2回で無事完結。「東京の右半分」というだけのくくりでスタートしたのに、よくこれだけネタがあったなと、われながら驚くばかりですが、その中で浅草と並んでよく登場した場所が湯島。昼間のうちは単なる”上野のとなりの古い街”だけど、夜のとばりが下りるとともに歌舞伎町をしのぐアンダーグラウンド感にあふれ、客引きのオヤジや多国籍嬢も道にあふれ、ひじょうに魅力的かつデンジャラスな雰囲気。いくつになってもワイルドサイドを歩いていたい夜の冒険者にとって、いまのところ東京でいちばん楽しい街かもしれない。

そんな”なんでもあり”の湯島ではあるが、まさかこんな店が! と驚かざるをえないのが、去年10月にオープンしたばかりの『手話ラウンジ きみのて』。そう、手話(と筆談)で聴覚障害者も健聴者もいっしょになって、かわいい女の子と楽しく飲める店なのだ。ちょっと前に銀座のクラブの「筆談ホステス」が有名になったけれど、あちらはあくまで健聴者のお客さんのためのお店であり、お仕事。しかしこちら『きみのて』は、お客さんも女の子も聴覚障害者がメインという、湯島どころかおそらく日本で唯一のシステムで営業を続ける、希有な店である。





そしてついでに追加情報:タイのお騒がせ元首相タクシン、ひそかに東京に来てたんですね! で、立ち寄って大歓迎を受けたのが、なんと前に「東京右半分」で取材した三河島のタイ寺院「ワット・プラ・タンマガーイ」。もう、駅からタクシン派の赤シャツを着た支持者でいっぱい、ここは荒川区じゃなくてバンコクだったのかと錯覚するほど、ものすごい熱気です。わざわざ日本語字幕をつけてくれた動画があるので、『右半分」の記事ともどもご鑑賞を。

東京右半分:荒川区に響くタイの祈り