2011年12月28日水曜日

プリンツ21:当世とりかえばや物語

季刊のアート雑誌『PRINTS 21』でひっそり、しかし2009年から継続中のコスプレイヤーお宅訪問プロジェクト『当世とりかえばや物語』。今回も特濃のレイヤーさんおふたりに登場いただきました。普段着とコスチュームのギャップが、あるような、ないような・・・。誌面でじっくりご覧ください! ちなみに特集は小谷元彦さんをフィーチャーです。



VOBO 妄想芸術劇場 五月セブン 後編

先週に続いてお送りする五月セブンの後編。1997年に初登場した五月セブンは、現在に至るまでコンスタントな投稿を続けるベテランである。

過激な状況設定に目を奪われがちだが、五月セブンの絵の魅力のひとつに、なんとも言えない「目の表情」がある。すばらしく古風なのか、新鮮なのか、時代感覚を超えた彼の妄想世界を今週もお楽しみいただきたい。




そして妄想芸術劇場「ぴんから体操」電子書籍版・発売!



さきごろ印刷書籍版を、恵比寿NADiffにて先行発売した、伝説の投稿イラスト職人「ぴんから体操」作品集の、電子書籍版がリリースされました! 印刷版はオンデマンドのため、3500円と高めの設定になってしまいましたが、電子版は1500円と超お買い得です! 
発行元のbccksが提供する、専用の読書アプリも、PC、MacはもちろんiPad、Androidまで各種がそろって、非常に見やすいつくりになってます。この機会にぜひお試しください! 印刷書籍版と電子書籍版の両方でお送りする妄想芸術劇場シリーズは、来年もさらに新刊をお送りする予定です。お楽しみに!

2011年12月22日木曜日

ROADSIDERS' weekly 発刊のお知らせ!

いきなりのお知らせで恐縮ですが、これまで長らくご愛読いただいたこのブログ、来年Ⅰ月4日から、有料メールマガジンとして配信させていただくことになりました。名づけて『ROADSIDERS' weekly』、これまでと同じく毎週水曜日の公開です。


いままで、このブログでは連載や展覧会にかかわるお知らせなどを中心に書いてきましたが、「ロードサイド・ウィークリー」はそれとはまったく異なる、「メールでお届けする個人雑誌」です——

雑誌にドキドキしなくなってから、もうずいぶんたちます。発売日をちゃんと覚えていて、その日は本屋に寄るのが朝から楽しみだった、なんて雑誌が前は何冊もあったのに。


20歳になったころに、創刊されて間もないPOPEYE編集部で働き出したのが1976年のこと。それから35年間たったいまも、僕にとっていちばんいとおしいメディアが雑誌であることにかわりはありませんが、この数年間、「これを書きたい、これを見せたい!」という気持ちを受けとめてくれる雑誌が、どんどんなくなってきました。ちょっと、恐ろしいほど急激に。たぶん、同じ思いを抱えているジャーナリストが、たくさんいるはずです。


長引く不景気とか、出版社の広告依存体質とか、編集者の勇気や覇気の欠如とか、いろんなことのせいにするのは簡単ですが、でも、なくなっちゃったものに文句言っててもしょうがない。だれもやってくれないなら、自分でやるしかない! というわけで、2012年1月からメールマガジンという形式で、個人雑誌を発行します。もちろん、ほんとは印刷した雑誌にしたいけれど、それは不可能なので、メルマガにさせてもらいました。でも、このほうが書籍よりもはるかにスピーディに、たくさんの写真や長い文章をお送りできます。日本の、世界のどこにいても受け取ってもらえます。


名づけて『ROADSIDERS' weekly』。毎週水曜日に、月に4回お届けします(第5週目はお休み)。2009年5月から毎週水曜日にブログ『roadside diaries』を書いてきましたが、これは僕にとってメルマガ発刊のためのトレーニングでもあり、ウォーミングアップでもありました。


ロードサイダーズは毎月1000円の購読料をいただく有料メールマガジンです。1冊あたり250円。そのお金で取材に行き、書き下ろし、撮り下ろしの記事を制作して読んでいただきます。毎回、新しい記事が1、2本。それにいままで単行本に未収録だった、さまざまな記事もアーカイヴとして併せてお届け。なので毎週、かなりのボリュームになるはずです。これまではブログ形式だったので、スマートフォンではない、ふつうの携帯電話でもお読みいただけましたが、今回は長い文章とたくさんの画像を含んだ内容(HTMLメール)になるため、ふつうの携帯では画像がはじかれてしまいます。できればパソコンかスマートフォン、iPadのようなデバイスでお読みください。


読んでほしいレポートやインタビュー、見てほしい写真、知ってほしい場所やモノや、ひとびと。どの雑誌にも載せることができなかったストーリーを、購読料を取材費にして実現させてくれるみなさんは、僕にとってカスタマーというよりサポーターです。どこまで走っていけるかわかりませんが、かけがえのない伴走者であり、尻を叩いて背中を押してくれる鬼コーチであり、周回遅れの孤独なランナーに届く声援です。


ひとりでも多くのみなさんと、ロードサイダーズ誌上でお会いできますよう。

というわけで内容の詳細、お申し込みなど、こちらのウェブサイトから、すでにご案内を始めています:


このメールマガジンは、実のところ僕のなかではずいぶん前からあたためていたというか、「やりたいけど、どうしよう・・」と、なかなか踏み切れないでいたプロジェクトなのですが、最近の出版業界の激変が背中を押してくれたかたちで、「もう、やるしかない!」とスタートした清水舞台飛びおり企画です。

いままではいろいろな雑誌でまず連載、そして素材が貯まったところで単行本化、というのが通常の流れだったのですが、これからはこのメルマガをメインの発表の場として、これまで実現できずに悔し涙にまみれていたアイデアを、ノンストップでどんどん発表していくつもりです。毎日が全力疾走、なのでひとりでも多くのみなさまのサポートをいただけますよう、こころからお願い申し上げます。

毎週水曜日、誌上でお目にかかりましょう!

DOMMUNE スナック芸術丸・28日水曜夜7時配信!


今年最後のDOMMUNE『スナック芸術丸』、28日水曜日に配信決定となりました。

いつものとおり、時間は夜7時から9時まで。年明けから始まるメールマガジンや、発売したばかりの『東京スナック飲みある記』のことなど、いろんな話題を交えて2時間たっぷり、ひとりでお送りします! よろしければ、ぜひ応援にスタジオにいらしてください。

ちなみにその夜、『スナック芸術丸』のあと9時からはロンドンのハウス系DJ、Nick The Recordという、かなりいいDJタイムだそう。そしてさらに、今年最終配信となる翌晩29日は、前後半DJタイムで、またまたデリック・メイが登場!だそうなので、こちらもお見逃しなく。しかし今年はDOMMUNE、ほんとに飛ばしましたね〜〜。来年も楽しみです!!!

紀伊國屋scripta:少女ポーズ大全


紀伊國屋書店が期間で配っている無料広報誌『scripta』。今回取り上げたのは『少女ポーズ大全』。アート・マニア、少女マニア双方からの熱い視線を集めているこの一冊、会田誠さんの監修(というかディレクションですね)によって誕生した、すばらしくうさんくさくて、すばらしくクレバーな一冊です。しかもCD-Rつき!


しかしこないだは麿赤児さんの『ハイパーアングルポーズ集SP 怪人』も出たし、BL系のもすごいし、最近ポーズ集って、けっこう来てますよね。『scripta』は全国各地の紀伊國屋書店店頭で!

ワンダーJAPAN 巨珍世界紀行

確実に世界唯一の廃墟・珍建築専門豪華雑誌『ワンダーJAPAN』。今号ではアメリカの巨大物件モノで参加させてもらいました。


しかし今回の目玉記事は、この夏にオープンしたばかりという伊豆の『怪しい博物館村 まぼろし博覧会』でしょう。

珍日本紀行で同じ伊豆の『怪しい少年少女博物館』が、なんと4年前に閉館した伊勢の元祖国際秘宝館の展示を買い取り、それをリミックスして甦らせたという、このご時世になんとも勇気あるプロジェクトです。

詳細はぜひ、彩度ばっちりの本書を精読していただきたいですが、元祖国際秘宝館をそのまま再現するのではなく、18禁にならないように、そして現代という時代に合わせて作り直したという、いわばリメイク・バージョン。それはそれでひとつの見識だと思うし、すごく興味あるので、正月休みに僕も訪ねたいと、いまから楽しみ。この一冊で予習してから、みなさんもぜひお正月は伊豆ツアーを! すぐ近くには『旧アニマル邸 江戸屋』など、珍スポット好きにはおなじみの施設がたくさんありますし。

VOBO 妄想芸術劇場 五月セブン 前編

先週、先々週とリリー・フランキーさんとの対談特別プログラムをお送りしたので、久しぶりの妄想芸術劇場。ご紹介するのは「五月セブン」である・・よく見ると不思議な名前だ。

1997年に初登場した五月セブンは、現在に至るまでコンスタントな投稿を続けるベテランである。その画風は一見、淡いタッチでありながら、内容のほうはなかなかハード。しかもしばしば画中に書き入れられる文章が、またユーモラス。見れば見るほど年齢不詳な感覚に惑わされるようである。




2011年12月14日水曜日

『東京スナック飲みある記』19日発売!


このブログで今年の初めから連載してきた東京23区の、23のスナック街を飲みあるく旅が、ようやく単行本になりました。題して『東京スナック飲みある記 〜ママさん、ボトル入ります!』。早い書店では、今週末ぐらいから店頭に並ぶと思います。年を越さなくてよかった・・・。

もう50年以上、東京で生活しているのに、行ったことのない町がたくさんある。入ったことのない本屋もレコード屋も、食べたことのない定食屋もたくさんある。それから、飲んだことのないスナックも! 東京はひとつの都市じゃない。イクラのつぶつぶみたいに小さな町がくっつきあった、ぐちゃぐちゃの巨大な集合体だ。


夜、知らない町に降りたって、看板の灯りに惹かれてスナック街を歩くのは、夜間飛行にちょっと似ている。眠れないままに窓の外を眺めると、真っ暗な大地にぽつんぽつんと明かりが見える。ああここにもだれかが住んでるんだな、いまなにしてるんだろう。そうして退屈なフライトが、少し楽しくなってくる。


閉ざされたドアから漏れ聞こえるカラオケの音、暗がりにしゃがんで携帯電話してるホステス、おこぼれを漁るネコ・・。東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう場所。


東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。毎週チドリ足でお送りします。よろしくお付き合いを!

毎週ひとつの区を選んで、ひとつのスナック街を飲みあるき、街の歴史もひもときながら、安心明朗会計のお店も紹介してしまおうという、ハードで欲ばりなガチンコ企画。2010年に出版した『天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱』は、都内50軒のママやマスターにじっくりお話を聞いたインタビュー集でしたが、こちらのほうは「スナック街」が主役。飲みあるいてみて、商店街の重鎮や古老たちにもお話うかがってみると、街ってほんとに生きものだなと実感します。デベロッパーとか、ちょこざいなプランナーたちがつくれちゃうもんじゃないですよね。




昔ながらの駅前商店街が、どんどんアトレだのルミネだのスタバだの成城石井だのになって、どこがどこだか区別がつかなくなってきている東京の今日このごろ。「そのうち・・」なんて思ってるうちに、古き良き飲み屋街はどんどん姿を消していってます。前の『スナック魅酒乱』は868ページ、厚さ5.8センチもありましたが、今回は312ページ、厚さも1センチちょっとと控えめ(笑)なので、持ち歩きにも対応。居酒屋ガイドとか老舗バー・ガイドとかはいくらでもありますが、東京のスナック・ガイドはこれしかない!ので、ぜひ本書を手がかりにスナック街探検にお出かけください。なんたって、掲載させてもらった67軒のうち、食べログだのぐるなびだのに入ってるお店なんて、1軒もありませんからね〜〜(うれしい)!


しかし、作ってみてから気がついたけれど、こうして近著3冊並べてみると、表紙がぜんぶ70代オーバーのおばあさん・・・どうしちゃったのか、自分でもわからない。

17日土曜日は岩手県花巻市でトーク

今週土曜日は、花巻のアウトサイダー・アート・ミュージアム「るんぴにい」でトークです。

岩手はアウトサイダー・アーティストの発掘、育成が盛んな土地で、何人もの重要な作家が世に出ています。今回の展覧会『うちの理想宮 〜パラダイス・シフト!〜』は、地元を中心に7人ほどのアウトサイダー・アーティストの作品が集められた、小さいながらも注目の展覧会。地元の方、今週末はたまたま近くにいるという方、ぜひおいでください!

割り箸による造形 武田拓

うちの理想宮 〜パラダイス・シフト!〜

2011年11月10日(木)〜2012年2月14日(火)
開館時間 10:00〜17:00(水曜日休館)

都築響一トークショー:
2011年12月17日(土) 
16:00スタート
定員50名:参加無料・要申し込み
詳細はこちらから:http://museum-lumbi.kourinkai.net/

暗夜小路  22日は戌井昭人さんとのトークあり!

恵比寿のアートブックショップNADiffの地下にある小さなギャラリーで開く写真展『暗夜小路 上野〜浅草アンダーグラウンド・クルーズ 』、おかげさまで好評開催中です。スタッフに聞いてみると、お触りオーケーのラブドールに、躊躇なく手を伸ばし、じっくり揉み込むのは、圧倒的に女性客のほうが多いらしく・・おもしろいですねえ。

倉庫から探し出してきた絶版本やグッズ、ポスター類などのレア・アイテム販売コーナーも売れ行き好調だそう。ありがとうございます。

こんな激レア自費出版書籍も、会場限定で販売中。奇書マニア、急げ!

22日の木曜日には、劇作家であり小説家でもある、鉄割アルバトロスケットの戌井昭人さんとのトークがあります。大の浅草好きである戌井さんのことなので、いろいろおもしろいお話が伺えそう。僕も楽しみです!


暗夜小路 上野〜浅草アンダーグラウンド・クルーズ

会期:2011年11月25日[金] ー 2012年1月9日[月・祝]

展覧会詳細はこちらから:
http://www.nadiff.com/gallery/tsuzukikyoichi.html

《トーク・イベント》
12月22日[木] 18:00〜20:00
戌井昭人(劇作家・鉄割アルバトロスケット主宰)×都築響一
(入場無料、予約不要ですが席数にかぎりがあるので、早めにお越しください!)

妄想芸術劇場特別編 リリー・フランキーさんと対談・後編!


 先週に続いて、『VOBO 妄想芸術劇場』特別編としてお送りする、リリー・フランキーさんとの対談。今週は「ぴんから体操」だけでなく、「カツ丼小僧」など、他の有名投稿者のお話もあり、アウトサイダーのメンタリティについて、熱いトークが展開します——

リリー ぼくはニャン2に写真投稿してる人達って絶対に自分より人生を楽しんでる人間だと思うんですよ。攻めの人生じゃないですか。以前にZで「投稿批評」っていう、失礼な連載をしていたんですけど、でも結局は何を書いたところで羨ましさだけが残っていくんです。ただ、この投稿イラストページを見る限り、まったく違う感想です(笑)。尊敬はあっても羨ましくはない。絶対に届かない芸術を感じる(笑)

都築 でしょう(笑)。世間的に言えばもうカースト外みたいな感じだと思うわけ。

リリー 凡人の世間からすれば、「要注意人物」として扱われる層ですよね。

都築 決してメインになることがない。雑誌のなかでもどうでもいい扱いを受けてる。でもその中に光るものがあるわけですよね。ニャン2の読者にしても、このイラストページを毎月楽しみにしてる人ってものすごい稀だと思うんです。

カツ丼小僧

リリー でも、ニャン2を最初からずっと読み続けて、このイラストページに至ると最も独特なオーラがあります。ここに比べるとウンコ食べてる写真なんかの方がよっぽど健康的に思えてくる。

都築 写真はハッピーですよ。行為をできてるんですから。イラストには陰がある。この人達だって、相手がいたら写真を送ってくるとも思うんですよ。その分の怨念がたまってる。

リリー でもそうやって何にも見返りもないにも関わらず20年くらい送り続けていれば、やっぱこういう風に本にしたりということをしてくれる人が現れるっていうのは、これご褒美ですよ(笑)

都築 喜んでくれるかどうかはともかく(笑)


という調子なので、エロ投稿ファンのみなさまも、リリー・ファンのみなさまも、ぜひご一読を。



http://vobo.jp/pinkarataidan_kouhen.html


かしふたりの腹回り、ちがいすぎ・・涙

痛車改

なんだか「写真界の銀座」みたいに写真専門ギャラリーが増えてきた四ッ谷4丁目〜新宿1丁目かいわい。そのひとつ『Place M2』で今月15日から26日まで開催されるのが、坂口トモユキによる写真展『痛車改』。


アニメやゲームの美少女キャラクターの巨大イラストをボディに貼った車を痛車という。「痛い」とは視線が痛い、恥ずかしい様を意味している。艶やかな痛車が街を疾走する光景は、いまでは週末の秋葉原名物となっている。車内には複数の液晶モニター、フィギュアや、ぬいぐるみ、抱きまくらがあり、その内装はコアなオタクたちのプライベートルームをデフォルメしてそのまま路上に持ちだしてきたかのようだ。(ギャラリー・サイトより)

というわけで、街角スナップとは次元のちがう、高精度・高密度で撮影された、あまりにも痛いクルマの数々・・一見、大きなスタジオで撮影されているように見えますが、実は深夜の駐車場で、たくさんのストロボを炊いて撮影されたそう。素晴らしすぎる、世界に誇るべき現代日本文化の記録です。タイトルが示すように、これが2009、2010年に続いて3回目の「痛車展」ですが、前回までを見逃した方は、本人のサイトできっちり見られるので、ご参考に。

http://tsaka.jp/itasha/index.html

坂口さんは2007年に、東京近郊のサバービアな夜景をデジカメで撮影したシリーズを発表していて、それは美しい写真集にもなりました。その年、僕が審査員を務めていた木村伊兵衛賞の選考会でも話題になったのを覚えています。この「痛車」も大判写真集になればいいのに・・と思っていたら、iPad写真集が用意されていました! もしかしたら、こういう写真はもう、どんなにきれいな印刷より、大きなモニターで見たほうが迫力あるかもしれないし、電子書籍なら拡大もできますしね。しかし国際協力基金とかが資金援助して、痛車の展覧会、海外の美術館でやってほしいものです!

痛車 http://itunes.apple.com/jp/app/id391670599?mt=8

なお『Place M2』はビルの2階ですが、3階にある『Place M』のほうでは、ご近所の『Gallery Shuhari』と同時開催で吉永マサユキ展を開催中。両ギャラリーとも作家のトークショーがあるので、ギャラリー・サイトからスケジュールをご覧ください。

Place M2 http://m2.placem.com/schedule/2011/20111215/111215.php

2011年12月6日火曜日

EVISBEATS&田我流 『ゆれる』

「夜露死苦現代詩2.0」の4回目で紹介した山梨県のラッパー田我流。映画『サウダーヂ』の主役としてもブレイク中です。彼をフィーチャーした新曲のPVがすごくいい感じなので、紹介しておきます。田舎町の日常を、ほんとに自然体でそのまま歌ったこの曲と、この映像。肩肘張ったワルでもなく、自意識過剰でもなく。日本のヒップホップってここまで来たのかと、しみじみしました。


夜露死苦現代詩特設サイト:田我流の作品が4曲聴けます!

艶春特別開帳 秘蝋の宴 満珍全席



年明けの話題で恐縮ですが、新春1月6日より、変態系の展覧では他の追随を許さない!銀座松坂屋裏のヴァニラ画廊にて、とっても特殊な展覧会を2週間ちょっとだけ開催します。名づけて『秘蝋の宴 満珍全席』・・・

北九州の片隅の、蔵の奥から発見された蝋人形コレクションを、新春のヴァニラ画廊にて特別公開致します。ひとりの老人の奇態な妄想を希代の蝋人形師が形にした、発注した本人の思惑をはるかに超えたところで、異形の芸術作品へと昇華した性器たちを迫力の一大パノラマ展示! 性のパワーを結集し毒々しいまでの鮮やかさでよみがえる密蝋作品群を参詣し、繁栄と豊穣の一年の門出をお祈りしましょう。(公式サイトより)



2009年に出版した『現代美術場外乱闘』でもご紹介した、驚愕の性器蠟人形プライベート・コレクションの実物および迫力の写真を、今回は特別に、ほんとうに特別にご覧にいれます。こんな機会はもう、これからほとんどないかも・・。異形の創造力を愛するすべてのみなさんにおおくりする、とっておきのお年玉。ぜひぜひお出でください!

2012年1月6日(木)〜1月22日(土)
入場料:1.000円(お土産付・18歳未満入場不可)
銀座ヴァニラ画廊
http://www.vanilla-gallery.com/archives/2012/20120106.html

暗夜小路 上野〜浅草アンダーグラウンド・クルーズ  好評開催中!

恵比寿のアートブックショップNADiffの地下にある小さなギャラリーで開く写真展『暗夜小路 上野〜浅草アンダーグラウンド・クルーズ 』、おかげさまで好評開催中です。

すでにご来場いただいたかたもずいぶんいるはずなので書いちゃいますが、会場内には写真プリントのほかに、世界最高のオリエント工業製ラブドールが展示されています。しかもオサワリOK! 70万円近い最高級のラブドールを触れるチャンスというのも、ふつうはなかなかないはず。思う存分、シリコンの感触を楽しんで、お帰りには本展のための撮り下ろし特製絵葉書セットをお持ち帰りください!


そして今週からは、わが家の倉庫から探し出してきた絶版本やグッズ、ポスター類などの販売コーナーもできました。国内出版社の絶版書籍はもちろん、外国の展覧会にあわせて制作されたポスターやパンフレットなど、いままでお目にかけることのできなかったレア・アイテムがたくさん展示即売中です。





展覧会スタッフといっしょに浅草を歩き回って仕入れてきた特選グッズや、オンデマンド印刷で自費出版した驚異のアンダーグラウンド・エロティック・アート『妄想芸術劇場 ぴんから体操』編(会場のみの先行販売)ともども、この機会にじっくりご覧ください。

会期:2011年11月25日[金] ー 2012年1月9日[月・祝]

展覧会詳細はこちらから:
http://www.nadiff.com/gallery/tsuzukikyoichi.html

《トーク・イベント》
12月22日[木] 18:00?20:00
戌井昭人(劇作家・鉄割アルバトロスケット主宰)×都築響一
(入場無料、予約不要ですが席数にかぎりがあるので、早めにお越しください!)

3日に行われた鬼海弘雄さんとのトークイベントの様子。鬼海さん、ダンディですねー。
すごく混み合うので、椅子確保のためにも来場はお早めに!

妄想芸術劇場 特別編 リリー・フランキーさんと対談!

いつもはニャン2倶楽部の投稿イラスト作家を紹介している『VOBO 妄想芸術劇場』ですが、今週と来週の2回にわたって特別編として、リリー・フランキーさんとの対談をお送りします。話題はもちろん「ぴんから体操」!

ご存じの方も多いと思いますが、リリーさんはかつて投稿写真誌で出会ったぴんから体操の作品に衝撃を受け、渋谷で会場を借りて『スーパー写真塾』から借り出した作品の展覧会を開催しています(『美女と野球』にその顛末が載っているので、興味のある方はぜひご一読を)。

そんな「ぴんから研究」の先輩であるリリーさんとふたりで、今回は自費出版本発売にあわせて、こころゆくまでその狂った魅力を語りあうことができました。実はリリーさん、以前ぴんからに仕事を発注したこともあるという!驚愕の事実も発覚。「ぴんから酔い」のふたりがおくるフラフラ・トーク、堪能してください!



病院で言われた。ちんぼうが骨折しています、ぬははと。
つったったままの看護婦はだらだらして思いつめたよう。いたいよう。
ぬははと三年前につぶれた、病院のべっとで、血ぬれて待つだろうか。
もう一度ゆきたい 弟が待っている消えた病院へ。

本のお求めは恵比寿NADiffまで

街角のおかんアート

合羽橋道具屋街があることで知られる台東区松が谷を歩いていたら、こんな「街角おかんアートギャラリー」を発見! いかにも歴史ありそうな紳士服の仕立屋さんでした。ちょうど出てきたご主人にお話うかがったら、「うちのかみさんが作ってるんだけどねー、こんなの珍しくないですよ、このへん歩けばたくさんあるから」とのこと。

前にご紹介した神戸のおかんアート研究チームによれば、古くからある商住混在型の街に、おかんアートは出現しやすいということでしたが、ほんとにそうですね! みなさんの近くでも、こんな街角おかんアートギャラリーを発見したら、ツイッターかフェイスブックのアカウントまで、ぜひご一報を!



2011年11月30日水曜日

暗夜小路 上野〜浅草アンダーグラウンド・クルーズ  好評開催中!

恵比寿のアートブックショップNADiffの地下にある小さなギャラリーで開く写真展『暗夜小路 上野〜浅草アンダーグラウンド・クルーズ 』、おかげさまで好評開催中です。今週土曜日には浅草のオフィシャル・カメラマンと言うべき鬼海弘雄さんとのトークもあります。ものすごく濃い浅草裏話が聞けると思うので、ぜひおいでください!



《トーク・イベント》
12月3日[土] 18:00〜20:00
鬼海弘雄(写真家)×都築響一

12月22日[木] 18:00?20:00
戌井昭人(劇作家・鉄割アルバトロスケット主宰)×都築響一
(両日とも入場無料、予約不要ですが席数にかぎりがあるので、早めにお越しください!)

鬼海弘雄は浅草のオフィシャル・フォトグラファーだ。渡辺克己が新宿のオフィシャル・フォトグラファーであったように。
 1945(昭和20)年、山形県寒河江市に生まれた鬼海弘雄は1973(昭和48)年から、もう38年間も浅草を撮ってきた。1941(昭和16)年、岩手県盛岡市に生まれた同じ東北人の渡辺克己が、新宿を題材にした作品を初めて発表したのも1973年。ふたりともモノクロームのポートレイトにこだわりつづけ、ふたりとも青年時代のインドへの旅が、写真家として自立するための契機となり……そして渡辺克己は2006(平成18)年に亡くなり、鬼海弘雄はまだ浅草を撮り続けている。
 新宿と浅草という、東京のふたつの極を同時代に歩いた、東北生まれのふたりの写真家。でもふたりの共通点の多さと同じくらい、写真集から立ち現れるふたりの眼差しの違いもまた大きい。「風俗」にこだわりつつ、そこから透けてくる人間性をつかもうとした渡辺克己と、「風俗」を超えて存在する人間性をまっすぐにつかもうとする鬼海弘雄。それはもしかしたら、そのまま新宿と浅草という土地の違いでもあるのだろうか。
(『東京右半分』のインタビューより)

そしてこの写真展に際しては、来たひとだけにわかる超特別展示!もあり、上野・浅草で買い付けてきた激渋グッズ特販コーナーもあり、本展のために撮り下ろした世界最高のオリエント工業製ラブドールのスペシャル絵はがきセットも用意しました。特に絵はがきセットは数に限りがあるので、早めのゲットお願いします!


会期:2011年11月25日[金] ー 2012年1月9日[月・祝]

展覧会詳細はこちらから:




「ぴんから体操」の自費出版作品集を会場で先行発売中!

VOBO妄想芸術劇場を読んでいただいているみなさまにはおなじみ、日本アンダーグラウンド・エロティック・アート界が生んだ、不世出のアウトサイダー投稿アーティスト「ぴんから体操」の作品集を、NADiffで特別先行発売中!


だれでも自分の作品集が印刷/電子出版の両方で実現できるという「BCCKS」のシステムで、これから妄想芸術劇場のスター・アーティストたちの作品集を続々発売予定ですが、まずは第1弾として「ぴんから体操」をご覧いただきます。

印刷本のほうは文庫本サイズ、オンデマンド印刷なので、お値段は3500円(予価)と少々お高いですが、これは他に類のない貴重な資料だし! 電子書籍版のほうは12月初旬にはダウンロード開始予定で、こちらは1500円(予価)とお買い得。PCはもちろん、iPadでもiPhoneでもAndroidでも読めます。


しかし印刷版のほうも、「これがオンデマンド?」と驚くような、しっとりと美しい仕上がり。僕もびっくりしました。ぜひ会場でお手にとってご覧ください。しかも約300ページというウルトラヘヴィなボリューム。これから販売サイトも整備していきますが、いま現在、この本を購入いただけるのはNADiffの会場のみになります。レアブックス好きのみなさま、アウトサイダー・アート・ファンのみなさま、そしてエロ愛好家のみなさまに、自信を持っておすすめします!!!

BCCKS http://bccks.jp/
VOBO 妄想芸術劇場 ぴんから体操 http://vobo.jp/pg94.html

VOBO 妄想芸術劇場  ぷりりん

投稿の数こそ多くないが、「ぷりりん」の画面には不思議な魅力がある。漫画的でフラットな画面。ところが、スキャンされた画像では判別できないが、原画をよく見ると、そこに微妙な凹凸があることに気がつく。実は塗り込められた背景の上に、丹念に切り抜かれた主人公=全裸女性を貼り重ねて、ぷりりんの絵はつくられているのだ。

女体のカーブはもちろん、乱れた髪から噴出する大便まで! あるときはほとんど紙切り細工のような、しかしそれでいて結果としてまったく立体感のない画面。その途方もない労力は、いったいなんのためになされているのだろうか。




吉永マサユキ写真展『SENTO』@Gallery Shuhari

来週火曜日、12月6日から四ッ谷3丁目のギャライー・シュハリにて、吉永マサユキの写真展『SENTO』が開かれます。

吉永君と言えば暴走族など、ハードコアなひとびとのポートレートで有名ですが、今回展示するのは彼がまだ写真家のアシスタントをしていた1993年に、大阪十三の銭湯で撮った男たちの入浴シリーズ。吉永くんの原点とも言うべき作品ですが、これまでほとんど公開されることはありませんでした。

大阪のおっさんたちがチンコ丸出しで風呂に浸かったり、体を洗ったりしている姿は、まことに日常的でありながら、いざプリントになってみると不思議な超現実感もあり、単なるルポルタージュとは次元のちがう写真表現になっています。




個人的に吉永くんは長い友人ですが、僕が最初に見せられた写真がこの銭湯シリーズで、そのときはびっくりするとともに、こんな写真が撮れる人間関係を築いている彼に、ちょっと嫉妬したものでした。

今回の展覧会では、その銭湯シリーズが並ぶほかに、海外販売用に制作されたという1000部限定の写真集も会場で販売されます。「表装には手拭いを使用。全5種類の装丁からお選びいただけます」ということなので、要チェックですねえ。また、期間中には根本敬などとのトークもあるので、これもディープそう!

吉永マサユキ 写真展 「 SENTO 」
会  期:2011年12月6日(火)〜12月26日(月)
12:00〜20:00(最終日も20:00まで)  月曜休み(ただし、12月26日は開廊)
オープニングパーティ:2011年12月6日(火) 18:00〜20:00
会  場:GALLERY SHUHARI
東京都新宿区四谷3-13 大高ビル3F  (丸の内線「四谷三丁目」徒歩2分)
TEL 03-5269-1436
http://www.gallery-shuhari.com/

■期間中、トークショーを開催します。
12/10(土) 19時〜 吉永マサユキ×清水穣さん(写真評論家)
12/17(土) 19時〜 吉永マサユキ×根本敬さん(特殊漫画家)
12/24(土) 19時〜 吉永マサユキ×町口覚さん(アートディレクター)
入場料 各1,000円ドリンク付き。
<問合せ GALLERY SHUHARI  TEL 03-5269-1436>

SENTO  Masayuki Yoshinaga

今から20年ほど前、吉永マサユキが写真家となるきっかけとなった初期作品『SENTO』。
その内容から、日本では発売が困難でしたが、このたび海外販売用に限定1000部を製作。解説=清水穣。11月18日、個展会場および極一部の書店にて発売開始。詳しくは東京キララ社まで。

定価:3,500円+税
B5上製/72P
発行:東京キララ社
03-3233-2228