2010年12月23日木曜日

ROADSIDE USA ツイッターから

ただいま @ROADSIDE_USA で、ほぼ毎日発信中のアメリカ取材こぼれ話。このところ、ロックのトリビア・スポット巡りを続けていますが、今回は写真が多いので、ブログのほうでご紹介。よかったら、ツイッターのほうも覗いてみてください。


ニューハンプシャー州フリモント。人口3000人かそこらの小さな町ですが、ここはフランク・ザッパをして「ビートルズよりすごい!」と言わしめたザ・シャグズの生まれ故郷であります。

1968年、父のオースティン・ウィギンの勧めに従ってドロシー(ヴォーカル、リードギター)、ベティ(ヴォーカル、リズムギター)、ヘレン(ドラムス)、そしてのちにレイチェル(ベース)も加わったウィギン4姉妹によって結成された、「ロック界のアウトサイダー・アート」とでも表現したい、最重要バンド。



伝説によれば、父オースティンのお母さんが、かつて「あなたの息子が授かる娘たちは、音楽で成功する」と手相見に予言されたのを真に受け、娘たちを学校から退学させて(!)バンドを結成。翌年の1969年に発表され、80年代に再発掘されるまでまったく話題にならなかったデビューLP『フィロソフィ・オヴ・ザ・ワールド』に、どれだけのひとが決定的な影響を受けたことでしょう。僕も一時は毎日聴きまくってました。

フリモントの町にいまも残るタウンホール、日本で言えば町役場みたいなものですが、そこの集会室で68年から、シャグズは週末ごとに演奏していました。1975年、心臓発作で父が死んでしまうと、バンドは解散。長らく忘れられた存在だったのちに、再評価されるわけですが、タウンホールにはシャグズの「シ」の字も記述がありません。受付のおばさんに聞いても「だれそれ?」という状態でしたが、それもまたシャグズらしいというか。ファンならいちどは訪れておきたい聖地です。



ちなみに正面玄関の看板に掲げられている「home of fremont grange」のグランジは、ロック用語のグランジじゃなくて、農場のことなのでお間違いなく。