2010年12月23日木曜日

紀伊国屋scripta:ブラジルの人工着色肖像写真

紀伊國屋書店が季刊で配っている、無料広報誌『scripta』。今回は『BORING POSTCARDS』など、本業の写真だけでなくキュレーションのすごさでも知られるマーティン・パーが探し出した、ブラジルの人工着色肖像写真集を紹介しています。

パーがブラジル在住のドイツ人美術史家タイタス・ライデルと組んで発表した新作写真集、『RETRATOS PINTADOS』がそれ(Nazraeli Press)。「描かれた写真」とでも訳したらいいのか、この大判の作品集は、ブラジルで19世紀末から1990年代まで広く行われてきた「人工着色による肖像写真」の、おそらく世界で初めてのコレクションです。





詳しい内容はscriptaを読んでいただきたいですが、人工着色なのにモノクロ・ページという悲しい状態なので、ここで写真を少しだけお見せします。日本の精緻な人工着色とはまた風合いの違う、おおらかな彩色がなんともいえない味を出しています。造本デザインもすばらしいです。展覧会が開かれたニューヨークのギャラリーのウェブサイトでも、作品がいくつか見られるようになっています。『scripta』は、紀伊國屋書店各店の店頭で配布中!

YOSSI MILO GALLERY