2011年3月2日水曜日

これぞアウトサイダー・アート、「ぴんから体操」第2回!



去年で創刊から20周年を迎えた日本最強、いやもしかしたら世界最強にビザールなシロウト投稿露出マガジン『ニャン2倶楽部』と姉妹誌(兄弟誌か)『ニャン2Z倶楽部』から生まれたウェブマガジン・ヴァージョン、その名も『VOBO』。

本誌のほとんどを占める過激な投稿写真の陰に、ひっそり隠れるように花咲く「投稿エロ・イラスト・コーナー」。そのハガキ職人たちの知られざる傑作群から、毎回ひとりずつをピックアップして紹介する『妄想芸術劇場』。

その記念すべきファーストバッターは『ニャン2』投稿イラスト史の至宝とも言うべき「ぴんから体操」さん。過去20年間にわたって、時代によって作風を大きく変えながら、現在まで投稿が途切れない、そして編集担当者すら会えたことがないという、まことにミステリアスな存在です。

今週は驚異のキャラクター「ぬるぴょん」が登場する、ぴんからのセカンド・フェイズ。あまりに多量の作品群のため、2週にわたってご紹介します!


ぴんから体操 2 〜ぬるぴょん降臨・前編〜

ニャン2史上に輝く伝説の投稿アーティスト、「ぴんから体操」の1992年から続く画業を辿る旅。前回は初期のフラットな漫画ふう、そしてモノクロームの点描によるダークなグロテスク・リアリズム作品を紹介した。


2001年、ぴんから体操氏の作品に色が戻ってくる。ごく短期間、当時黄金期を迎えていた「モーニング娘。」をモチーフにした、淡いタッチのポートレートがあらわれたのに続いて(しかしその背景には、すでに次の展開への不気味な予兆が見てとれる)、2001年から02年にかけてのある日、予想を超えた新しい画風の作品が、いきなり送りつけられるようになったのだった。


「ぬるぴょん」と本人が名づけた、それは形容しがたいぶよぶよとした不定形のかたまりだった。それまで古典的な写実主義にいたピカソが、『アヴィニョンの娘』で突如としてキュービズムに突入したように、あまりにも唐突な画風の転換であり、裏面のサインがなけ
れば別人としか考えられない、劇的な展開であった・・・。