2010年4月15日木曜日

東京右半分:下町レコ屋できょうも猟盤1


東京のJ-POPをつくってきたのは渋谷で、ヒップホップをつくってきたのは裏原宿なのかもしれないけれど、東京の演歌や歌謡曲をつくり、支えてきたのは右半分の音楽ファンであり、レコード屋だ。

亀戸駅前・天盛堂

いま演歌が見直されているとか言うけれど、タワーレコードやHMVに行ったって、TSUTAYAの邦楽レンタルCDコーナーを探したって、ほんのおざなりなコレクションしか見つからない。そのいっぽうで台東区、墨田区や江東区、北区の商店街で店を開く「街のレコード屋さん」は、マスコミが押しつける”トレンド”じゃなくて、みんながほんとに聴きたい歌を、黙ってずーっとサポートしつづけてきた。

錦糸町駅前・セキネ楽器店

これを書いているいま、APPLEのiTune Storeでダウンロードの1位になっているのは、坂本冬美の『また君に恋してる』だ。こういう時代になって、いままで「ジジババの演歌」を完全無視してきたオシャレCDショップが、あわてて歌謡曲を仕入れようったって、そうはいかない。クラブDJたちが通うレコ屋はいまでも渋谷や、このところかつての勢いをなくしてしまった西新宿なのだろうが、じっくり聴き込みたい日本語の歌を探したいなら、総武線や京浜東北線に飛び乗るべきだ。今週と来週、そんな演歌・歌謡曲ならここ!というレコード屋さんたちを紹介しよう。まず今週は亀戸、錦糸町、小岩の駅前に店を開く3軒から。

小岩駅前・音曲堂