一部新聞や週刊誌などにも取り上げられて、知られるようになった『許されざる者』。クリント・イーストウッドの名作ではなくて、なんと福岡県警が暴力団追放のために自主制作した、啓発短編映画なんですね!
福岡といえば、いままで数々のヤクザ映画の舞台にもなった、血気盛んなお土地柄。なんとかせねばという福岡県警の意気込みが、いまから4年前の2006年、この啓発DVDの制作につながりました。報道によれば制作費は30万円。2ヶ月の期間をかけて、撮影から編集まですべて手作りでつくられたそう。出演者30人も、全員が現役の警察官と警察職員だとのこと。
4年前に制作されたときは、おもに市内の中学校、高校などで上映しようとしたらしいのですが、「あまりにリアルで刺激が強い」と敬遠され、あまり広まらなかったのだとか。こんなの見せられたら、組員の息子がイジメに遭うと、地元の武闘派・工藤會が市教育委員会に上映中止を申し入れたというのも、地元ではちょっとしたニュースになりました。
それから4年の時がたち、この4月1日に福岡県では全国で最初に「暴力団排除条例」が施行されることになり、その趣旨に協力を申し入れた地元ビデオ・レンタル店が、3月30日から無料でレンタルを開始したというのです!
本編27分50秒、もうホンモノにしか見えない迫力の、警察のみなさまによる熱演は、福岡のビデオ屋さんに行かないと見られないので、地元の方々はもちろん、出張で福岡に立ち寄られる方も、中州あたりでだらだら飲んでないで、ビデオ屋めぐりをしていただきたいですが、なんとただいま人気爆発で、常に貸し出し状態だそう。福岡県警は、150店のビデオ屋さんに3枚ずつ、DVDを配布したそうなんですが、うれしい誤算ですねえ。
福岡まで行けない!という方は、とりあえず福岡県警のウェブサイトをご覧ください。1分間の予告編が見られますが、これだけでもけっこうおもしろいですよ!