2009年12月16日水曜日

演歌よ今夜も有難う:難病と闘いながら歌いつづける、車椅子の演歌歌手・木田俊之さん



熱いみそ汁 炊きたて御飯
どこに不満の 種がある
広い世界にゃ 水一杯に
両手あわせる人もいる
お前・・・なるなよ 弱虫に   
『こころ』木田俊之・歌

青森県弘前市を拠点に活動する演歌歌手・木田俊之を、青森県人以外で知っているひとは少ないだろう。しかしすでにシングル2枚、全曲集1枚を発売し、地元メディアにもしばしば登場する有名シンガーだ。



木田俊之は、車椅子でうたう歌手でもある。筋ジストロフィーという難病に冒され、病魔と闘いながらの音楽活動を続けているからだ。愛妻・智恵子さんと二人三脚で、スナックから老人ホームまで、祭りの舞台からコンサートホールまで、呼ばれればどこでも出かけていく。

そしてその歌声はどこまでも明るく力強く、のびのびとすがすがしい。ステージでは地元言葉の軽妙なトークで、客席を笑いの渦に巻き込む。録音だけ聞いていたら、とても難病に苦しむ人間とは信じられない、そんなエネルギーを声から、からだから放つ希有なシンガーだ。