2009年12月8日火曜日

今週のマスト・バイ:月刊カラオケファンとCD『演歌師稼業』

ちょっと前に連載をさせてもらっていた、月刊カラオケファンというマニアックな雑誌があるのですが、いつもは氷川きよしとか、メジャーどころの特集ばかりなのに、今月の巻頭特集はなんと『演歌流しの今をたずねて・・・』。いまや絶滅寸前となった、街の流しを追った素晴らしいストーリーです。



たった7ページほどの特集ですが、北島三郎や渥美二郎など、演歌流しから歌手デビューした歌い手たちのインタビューもあって充実。そしてなんといっても現在、新橋でたったひとりとなってしまった現役の流し”ケンちゃん”の密着レポートが出色。もう45年もこの世界でがんばっていて、「夜7時くらいから深夜2時くらいまで仕事をします。だから寝るのは近くのサウナとかが多い。帰るところがないので、着替えは数カ所の行きつけのクリーニング店にある個人用試着室に何着か釣ってあるのです」・・・こんなひとが、まだいるんですねぇ!


流しの世界は、実は僕も前から興味があって、追いかけようと思ってたんですが、今年は新宿ゴールデン街の伝説的流しのマレンコフ(このひとは60年間も新宿で流していたそう)も、昭和30年から別府温泉を流していた名物コンビ”はっちゃん・ぶんちゃん”の、はっちゃんも亡くなってしまい、ほんとに風前の灯火です。


これもぜんぜん話題になってませんが、この3月には『演歌師稼業 街中に根付く流行歌を唄って』という、現役演歌流し5人のオリジナル楽曲を収めたCDも、ひっそり発売になってます。ケンちゃんこと須賀慶四郎さんの『烏森流し唄』を筆頭に、亀戸をベースに歌いながら、アフリカや北朝鮮でのボランティア活動にも情熱を燃やす京一夫さんの『ひとり酔い』、秋田市川反の相原旭さんの『演歌師一代』など、ほかではまず聴くことのできない、濃厚なストリート・テイストを堪能できます。両方、すぐアマゾンとかで買ってください!