2009年12月24日木曜日

アサヒ芸能連載:水森かおり




当代「ご当地ソングの女王」水森かおり。今年も間もなく、紅白歌合戦で『安芸の宮島』を熱唱する姿が見られるはずだ。
水森かおりの歌う女は、いつも恋に破れて旅する女である。「ご当地ソング」というよりも、「旅うた」と呼ぶほうがふさわしい、傷つきさまよう女のこころをうたう歌。1999(平成11)年の『竜飛岬』をスタート地点に、その旅は『尾道水道』→『東尋坊』 →『鳥取砂丘』 →『釧路湿原』 →『五能線』 →『熊野古道』 →『ひとり薩摩路』 →『輪島朝市』と10年かかって、今年もまだ傷心のまま『安芸の宮島』にたどりついた。
演歌と呼ぶにはずいぶん透明な声で、そんなに苦しい女ごころばかりを、もう15年以上歌ってきた彼女を、テレビ画面ではなく、いざコンサートで観てみると、歌のイメージと本人のギャップに唖然とする。とにかく元気なのだ、このひとは。