2010年6月16日水曜日

今週のマスト・バイ:『トラック野郎風雲録』

久しぶりに書いてみたくなった本が見つかりました。国書刊行会からこのあいだ発売された『トラック野郎風雲録』。初期のヤクザものから、『温泉みみず芸者』とか『女番長(スケバン)ブルース』とか『徳川セックス禁止令 色情大名』とか、1970年代初期、日本の映画産業が崩壊しはじめた時期に、末期的症状を迎えていた東映を舞台に、やけくそみたいなエログロ路線を突っ走った職人監督・鈴木則文さんの、77歳にしての初エッセイ集です!

書名のとおり、この分厚いハードカバー本は鈴木監督最大のヒット・シリーズでもある『トラック野郎』についての回顧談を中心に、みずからの映画世界から業界の裏話までを語り尽くしたもの。もともとは僕も愛読者であるデコトラ雑誌『カミオン』で、2003年から2010年までの長期にわたって連載されたエッセイを、一冊にまとめたものです。

ギンギラギンの11トン満艦飾トラックが日本列島を爆走する……。涙と笑い、義理と人情、下ネタとお色気が渾然一体となった昭和を代表する大ヒット娯楽映画シリーズ『トラック野郎』(菅原文太主演)の魅力を監督自ら綴る痛快回想録! (出版社サイトより)

国書刊行会は去年の『憂魂、高倉健』(横尾忠則著)といい、凝りまくった装丁の本を最近よく出してくれてますが、この本も図版はたっぷりだし、見返しは『トラック野郎』のポスターだしで、本好き、映画好きにはうれしい造り込みです。なお『トラック野郎』はすべてDVD化されているので、こちらも要チェック。本を読んだら、ぜったい全巻借りてきたくなります! いま見直してみると、あべ静江、由美かおる、夏目雅子に石川さゆりまで!、女優陣もすごく豪華だったんですねえ。