昼間もひどいけど、夜ともなればさらに騒々しい若者に占拠され、オトナにはなかなか近寄りがたい最近の渋谷界隈。駅から青山方向に宮益坂をあがったすぐ裏手に、古びたスナック・ビルが隠れていることを知るひとは少ない。そのビルの3階、正確に言えば3階と4階のあいだの踊り場に入口がある、まこと知る人ぞ知る存在の店、それが<パブ・スコーネ>である。
「SKÅNE」と書いて「スコーネ」と読ませるこの店は、スウェーデン直送のチーズをつまみに、スウェーデンを代表する蒸留酒であるアクアヴィットを飲む、スウェーデンのスコーネ地方そのままの店。しかも店内のインテリアは完璧に北欧デザイン。しかもお酒を注いだり、チーズを削ってくれるのは北欧美人。しかも営業スタイルはカラオケ・スナック! 渋谷でスウェーデンでカラオケで、というワケのわからないミックスが、異様に居心地いい隠れ名店だ。
「なんでもシンプルで合理的なのが好きなの」というママさんらしく、酒もつまみも基本的に1種類なので、「おつまみ持参歓迎」。そして会計は「席料3500円に、サービス料10%、いくらいても、飲んでもそれだけ」という超明朗会計。「だからお客さんに、自分で会計してくださいって頼んじゃうの」と笑う。
こんな素敵にオトナな店が、あんな街にあったんですねえ。