施設の老巧化、売り上げの減少など、閉店の原因は複合的なものでしょうが、この4月に従業員仮眠室に強盗が押し入り、寝ていた従業員に重傷を負わせたうえに売上金を奪ったという強盗致傷事件があったことも、影響しているようです。
ファッション・ホテルとかブティック・ホテルとか、オブラートに包まれた名前と、シティホテルと大差ない“お洒落なインテリア”の、どうでもいいラブホばかりがはびこるなか、またひとつ貴重なデザインの名店が消えてしまいました。だれにも気に留められず、惜しまれもしないままに。
ただのオフィスビルや公会堂とかは保存運動に大騒ぎする建築史家たちも、こういう本来の「文化遺産」は完全無視。僕らにできることは、アルパのようなクラシックなホテルを、せめて営業中のうちに一軒でも多く訪れることしかありません。次に突然、消えてなくなってしまう名店はどこなのでしょう。川崎・迎賓館、西蒲田・王城、大阪京橋・ホテル富貴・・・きょうはまだ営業中のクラシックなラブホテルを、ひとりでも多くのみなさんが体感できますように。
ホテル・アルパはいまのところ、まだウェブサイトは閉じられていないようです。
いまから10年以上前に撮影させてもらった、ホテル・アルパの絶品インテリア・デザインはこのとおり!
ね、行っときゃよかったでしょ!