2011年2月9日水曜日

東京右半分:平成元禄の湯島によみがえる陰間茶屋

いまや東京屈指の魔都となった湯島かいわい。春日通りを挟んだ両側は、夜ともなれば可憐なつぼみに豪奢な大輪、淫花に毒花に徒花の色とりどり咲き乱れる、無国籍植物園と化す。


フィリピーナやタイ娘との待ち合わせによく使われるドンキホーテの裏手、雑居ビルの階段を降りていくと、『化粧男子』とプリントアウトされた紙をクリアファイルに入れたのを、画鋲で留めただけのドアがあらわれる。妖しすぎ・・・。ここが去年12月にオープンしたばかり、たった5坪の店でありながら、すでに一部好事家の熱い支持を集める「男の娘(おとこのこ)」パラダイス、『若衆bar 化粧男子』である。


おそるおそる入口を開けると、奥に5人も座ればぎゅうぎゅうのカウンター・バー。そして手前にはコタツ! 靴を脱いで上がり、ドキドキしていると、すごくきれいな和服の若衆(女装男子)が、おしぼりとメニューを持ってきてくれる。見かけはみんな女の子だけど、からだは男の子。でもニューハーフ・パブじゃないからショーもなければ(そんなスペースないし)、オカマバーみたいな熱烈接客もない。キャバクラみたいなカネとからだの駆け引きもない。きれいな男の娘と、しっぽり会話とお酒を楽しむ。そういう、なかなかありそうでなかった店だ。


(東京右半分、2月11日は祝日のためお休み。次回更新は18日です!)