2009年8月12日水曜日

堀内誠一展:旅と絵本とデザインと


京王線芦花公園駅から歩いてすぐ、高級マンションや老人ホームが建ち並ぶ一角にある世田谷文学館。もともとウテナ化粧品の創業者・久保政吉氏の邸宅、工場跡に建てられたもので、いまでも豪壮な塀と門の一部が残っています。

ここでいま開催中の展覧会が『堀内誠一 旅と絵本とデザインと』。堀内誠一さんはデザイナーであり、絵本作家であるわけですが、僕にとっては編集者の仕事を始める上で、決定的な影響を与えられた師匠であります。

POPEYE、BRUTUSと、堀内さんがアートディレクターを務めていた時代に、僕は幸運にも編集者生活をスタートさせることができました。何回も旅に同行させてもらい、夜の新宿徘徊にも連れていってもらい、教わったことの大きさは、とても簡単には言いあらわせません。

今回の展覧会では、堀内さんの少年時代のスケッチから、伊勢丹の広報誌、ロッコール・マガジンなど初期のデザインワーク、平凡出版、マガジンハウスでの雑誌デザイン、絵本と旅日記など、その生涯を包括的にふりかえることができる、ほんとうに貴重な展覧会です。

都心ではないし、それほど広報もされてはいないのですが、お客さんは絵本好きのおばさまや家族連れが中心、編集者やデザイナーとおぼしき人種はあまり見かけられないようで・・・だから最近の雑誌って、おもしろくないんだよ!と毒づきたくもなりますねえ。とにかく編集の仕事、エディトリアル・デザインの世界を志す人であれば、ぜったいに見ておかなくてはならない展覧会です。

会期は9月6日まで。何度か通わないと、全点をじっくり観賞できないかもしれません。