2009年8月20日木曜日

今週のマスト・バイ:山城新伍を偲んで

8月12日、山城新伍さんが亡くなりましたね。またひとり、日本映画黄金期を支えた名優が、いなくなってしまいました。
1959(昭和34)年から2005年までと、ほとんど半世紀に及ぶ芸歴を誇った人でした。東映の時代劇がもともと専門でしたが、60年代後半からはヤクザ路線に、70年代にはエログロ路線にと、会社の方針にそのまま乗って、自在な芝居を見せてくれました。
ずっと入手困難だったエッセイ『おこりんぼ さびしんぼ』が、先ごろ廣済堂から文庫化されたので、日本映画に興味のある方はぜひ読んでいただきたいですが、ここは山城新伍の偉業を偲んで、過去の名作を再チェックしておきたいものです。
出演作品はものすごく多いのですが、たぶんテレビの追悼番組とかではおそらく触れないであろう、70年代のお笑いエロ路線が、いまとなっては最高に楽しく、おすすめです。『不良番長』シリーズもいいんですが、『セックス喜劇 鼻血ブー』、『ポルノギャンブル喜劇 大穴中穴へその穴』、などなど、タイトルだけでうれしくなってしまうB級映画で、嬉々とした怪演が堪能できます。



個人的には、『温泉スッポン芸者』、『東京ふんどし芸者』、『徳川セックス禁止令 色情大名』などが、いまでも手に入りやすく、おすすめ! 現在のAVとかとは次元のちがうカネと時間をかけた、お笑いソフトコアという、失われた日本映画のあだ花たちを、拾い上げてやってください。


温泉スッポン芸者 [DVD]