2010年9月1日水曜日

1922年の天然色映画テストフィルム!

コダック社が開発した最初期のカラー映画フィルムのテストが、いまYoutubeにあがっています。1922年というのは、世の中には白黒のサイレント映画しか出回ってなかったころ。世界初のトーキーが1927年ですから。


そういう時代の無声映画も、いまではたくさん鑑賞することができますが、僕らにとってはスクリーンやモニターの中で、モノクロのイメージでしか知らなかった100年前の人間たちが、こうして天然色で眼前に立ち現れると、その異様なリアリティに、なんだかものすごく不思議な気持ちにさせられます。

そしてなにより、その画面の美しさ! 始めて見たときは、ほんとに息を呑みました。フィルムの感度も低いのでしょう、現代のシャープな画像とはまるでちがう、絵画のような画面。ほとんど「動く古典絵画」です。

そのコダックが協賛に加わっている、モビウス賞という世界的な広告コンペがあるのですが、2009年度にコダック賞を取ったのがこれ、オーストラリア・フットボール・アソシエーションのために制作された一本。ワールドカップをオーストラリアに招致するための広報宣伝フィルムだそうです。


風光明媚なオーストラリアの各地を、サッカーボールがつないでいくという単純な内容ですが、撮影もきれいだし、キックやヘディング、リフティングの技術など、サッカー好きのこころをくすぐる部分もたくさんあり。見ているだけで、足がうずいてくるひともいるんじゃないですか。

で、ついでにサッカー関連CFをもう一本。これはブラジルの携帯通話会社VIVOが作った長編CFで、『1284 ペレ最後のゴール』と題されています。


ご承知のとおり、ペレは生涯に1283本のゴールを決めました。このフィルムは、もしペレが2010年のワールドカップにブラジル代表として参加したら、そしてアルゼンチン相手に最後のゴールを決めていたら、というサッカー・ファンならドキドキせずにはいられない、美しい空想を現実にしてしまった見事な作品。ほんとによくできてて! 最後のゴール・シーンも、ファンなら涙なしには見られません。最近のテレビCFって、ほんとに全部最低ですが、たまにはこういう美しいフィルムを見たいですよね。