以前、平凡社のウェブマガジンで連載していた『演歌よ今夜も有難う』のなかで取材させてもらった若き男性演歌歌手・千葉山貴公(ちばやま・たかひろ)さんが、当夜のゲスト歌手。小さな神社の境内の、ゴザを敷いた上にお客さんがパラパラ。地元の歌自慢たちのカラオケ大会が延々続き、それから日本舞踊とかがあって、最後に登場した千葉山さんは、夜が更けて帰り支度をしはじめているお客さんたちに向かって、あくまでも明るく健気に、全力で歌い、語りかけていた。ステージが終わったら、舞台脇のテーブルに並べたCDとカセットを売りながら、サインと握手。こういうふうに音楽業界を下支えするひとたちに、僕も寄り添いながら記録していきたい。
これから日本は秋祭りの季節。地元のお祭りに歌謡ショーの看板を見つけたら、名前を聞いたことのない歌手だからといって、素通りするのはもったいない。無名の歌手だからこそ、こころに迫ってくるなにかが、きっとあるはずですから。
千葉山さんのインタビュー http://webheibon.jp/enka/2009/06/post-2.html
公式ブログ http://www.geocities.jp/hamanasuaika/