でも、なにより素晴らしかったのは、これが「あいちトリエンナーレ」という現代美術イベントの一環でありながら、広場を埋めたお客さんたちは、「現代美術作品」としての意味なんてまるで考えずに、純粋な光と音のハーモニーをそのまま楽しんでいたこと。地下鉄駅から広場に続く、途切れることのなかった長い人の列。名古屋らしく?周囲の道路に二重駐車して、車窓から携帯電話で撮影していた人たち(クルマを降りるのがめんどくさかったのか、入場料がもったいなかったのか)。
子連れの家族から、三脚抱えたカメラ・オヤジたちまで、こんなふうに門外漢(というマジョリティ)をハッピーにさせてあげられた現代美術作品というのは、僕にとっては大竹伸朗の「アイラブ湯」以来の体験でした。「すごかったねー!」とワイワイ言いながら、地下鉄の駅に向かう人たちの笑顔が、どんな有名評論家の難解な賛辞より、池田さんにとっては最高のプレゼントだったはずです。