2010年9月15日水曜日

東京右半分:欲望の街のミュージック・シェルター

昼間はアメ横から流れてきた観光客がパラパラいるだけの、しかし陽が落ちるといきなり居酒屋や飲み屋のライトがきらめき、風俗店の客引きがあらわれ、「マサージいかがですか〜」とすりよる小姐がすり寄って、歌舞伎町顔負けの欲望全開タウンに様変わりする湯島界隈。いまのところ、東京でいちばん元気のいいナイト・タウンかもしれない。

たいして広くもない飲み屋街に、いったい何軒ぐらいの水商売店がしのぎを削っているのか見当もつかないが、それだけあるなかで不思議となかったのがロック・バー。地下鉄湯島駅を出てすぐのビル3階にある<MUSIC BAR 道>は、湯島のカオスも好きだけど、渋い音楽を聴きながらじっくり飲む酒も好き、というワガママなオトナにとって、貴重な一軒だ。


去年の4月にオープンしたばかりの店を仕切るのはライター、放送作家として知られる押切伸一さん。すごい売れっ子なのに、バーのマスターとして毎晩カウンターに立っているのだから、たいしたものだ。きょうは押切マスターと、共同経営者であるデザイナーの大久保裕文さんにお話をうかがった。