急な夕立ち朝顔市で 偶然出会ったあの日のように
見知らぬ町で又会えそうな そんな気がして 旅に出ます
窓の向こうは周防灘 あなたと旅した あの思い出の町を
今通り過ぎて行きます・・・
『ASAGAO』(作詞・作曲:倉岩正)
水森かおりみたいな若手演歌歌手が歌ったら似合いそうな曲を、ピアノの弾き語りでさらりと歌ってみせる湖本恭子さん。曲調は演歌っぽいけど、演歌じゃない。声の感じは小坂明子みたいなフォーク系の弾き語りに近いけれど、フォークでもない。ピアノはものすごくうまいけれど、さりとてクラシックのピアノとはちがう。演歌でもフォークでもクラシックでもない、「クラ歌謡」という独自のジャンルを確立すべく、このひとは去年デビューしたばかりの新人歌手なのだ。そしてデビュー曲の『ASAGAO』と『国東半島』の2曲を作詞作曲したのは、恭子さんのお父さん。「クラ歌謡」というコンセプトを考え出したのもお父さん。そんなお父さんに育てられ、尊敬したり反発したりしながら、歌手になったのが娘の恭子さん。このひとのデビューには、いろんな思いがこめられているのだった。